このブログでは、介護事業者に対する行政の様々な理不尽指導を取り上げてきた。
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そして介護事業者に対する運営指導担当者行政職に対しては、「権力や権限に謙虚になってほしい」と呼び掛けるとともに、介護事業者に対しては実地指導担当者等が、「こう言っている」ということは根拠にならず、「こうせよ」・「こうしなければならない」という指導に対しては、ただ諾々と従うのではなく、きちんと指導根拠を確認してほしいと訴えてきた。

同時に法令解釈にもグレーゾーンが存在するため、あまりに行政側の価値観に偏った指導内容であれば、単純に従うのみではなく、場合によっては法律の専門家の手を借りたり、訴訟に踏み切ったりする必要性もあることも指摘してきた。

しかし実際には行政を相手取って、喧嘩を売るような行為にはなかなか踏み切れないという関係者も多く、理不尽な指導に屈して泣き寝入りしている関係者も少なくないと思われる。

そのような状況の中で、介護事業関係者・・・特に居宅介護支援事業所の関係者の皆様に、一筋の希望の光となるような訴訟結果が伝えられている。

問題となったのは居宅介護支援事業所の運営基準のうち、改正されたある条文。
横暴な権力
どの条文を巡って、どのような理不尽指導がされ、それに対してどのように反論したのか。さらになぜ訴訟という方向に至ったのか。そして両者の主張を戦わせた訴訟結果はどうなったのか・・・。

その詳しい内容はここでクドクド文章にして伝えるよりも、それに関わった法律の専門家の方の説明を聴いたほうがわかりやすいと思う。

ということで、僕もチャンネル登録をしている弁護士が教える介護トラブル解決チャンネルの、「あるケアマネ事業所が行政に完全勝訴した話」をご覧いただきたい。

この訴訟結果によって、画像の運営基準改定内容については、重要事項説明書等で書面による説明義務はないということが確定したのである。

これはれっきとした判例である。よって平成30年の基準改正で追加された、「複数事業所の紹介」について、居宅介護支援事業所の重要事項説明書にその内容が記載されていないから基準違反だという運営指導は今後通用しなくなるということである。

同時に運営違反であることの証明責任は、運営指導側にあることが明らかになった。

そして解釈通知はあくまで行政に向けて発出されたもので、国民や裁判所を拘束するものではないという考え方も示された。これは非常に重要な考え方であり、場合によって解釈通知だけを根拠とする行政指導は、必ずしも通用しないということになる。

そうであるからこそ法律の大きな主旨を鑑みたときに、明らかに理不尽と思われる指導に対して、介護事業者は勇気をもって異を唱え、場合によっては法律の専門家の力を借りて戦う必要もあるということを理解しなければならない。

動画の中で外岡弁護士が指摘しているように、人の血が通っていないロボットのような行政指導担当者が、少なからず存在しているのだ。そういう人物がたまたま運営指導担当者で、重箱の隅をつつくような理不尽指導に終始するようなことを許さないという考え方と姿勢が介護事業者にも求められると思う。

同時に、行政の方々も今回の訴訟結果を行政への戒めと受け止めて、運営指導とは優良な介護事業者のあらさがしではないことを念頭に置き、この国の介護が将来にわたってなくならないように、よりよく存在し続けるようサポートするものであることを自覚してほしい。

介護保険サービスが誰のためにあるのか、運営指導が何のために必要なのか・・・この裁判結果が、その根本を考え直すきっかけとなるかもしれない。

そういう意味で、外岡さんが情報提供しているユーチューブチャンネルのこの話題は、外岡さんがタイトルに書いているように、「全国の介護保険課」の行政職員の方々に見ていただきたいものだ。






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