介護事業は誰かの暮らしを支えるサービスであり、暮らしを営む人に必要なサービスを、必要な時に届けなければならない事業だ。

利用者がそこに存在する限り、利用者の都合に合わせてサービス提供することが求められ、事業者側の都合で休んではいられない。事業種別によっては1日たりとも途切れることなく、365日・24時間のサービスを提供し続ける必要がある。

そうしたサービスを、利用者ニーズや時代変化に合わせて、常に一定の質を担保しながら提供し続けなければならない使命もあり、忙しく途切れることがない業務の合間を縫って、職員教育も定期的に行っていかねばならない。

そうした業務や教育とは、世間の暦とは関係なく行わねばならないものであるが、さすがに新年早々から研修会を行うところは少ない。少なくとも松の内に研修を行うという話は聞いたことがない。

その為研修講師という仕事は、1月の後半期間になってからスタートすることが多い。過去には1/10に講演依頼を受けたことがあるが、それも異例中の異例であった。

今年の最初の講演は今日17日が始まりで、道内滝川市というところで行うことになっている。

そのため僕は今、JR東室蘭駅で札幌行きの特急列車待ちである。滝川に行くためには札幌で旭川行きの特急に乗り換える必要があるが、移動時間は東室蘭〜札幌が1時間20分、札幌〜滝川が1時間で、乗り継ぎ時間を入れても移動時間は2時間半程度だからさほど遠い感じは受けない。
滝川市空撮
滝川市は北海道中部(道央地方)に位置し、僕の実家があった岩見沢市と同じく空知振興局に属するところで、僕にとっても馴染みのある地域である。

今回は、滝川地域介護サービス事業者連絡協議会主催研修会ということで、「高齢者虐待防止」をテーマに90分講演を行ってくる。

今年は年度替わりに制度改正・報酬改定があるため、2月以降はそれらをテーマにした講演予定が数多く入っているが、その合間に様々なテーマの講演予定が入っている。

その中でも虐待・不適切サービス防止は、介護事業者にとって最も重要なテーマである。

北海道では元日の早朝にサ高住の職員が、利用者に暴力を奮って死に至らしめ逮捕されるという事件も起きている(参照:元日早朝に起きたサ高住での暴行死

こうした事件を撲滅していかない限り、国民から信頼を寄せてもらうことができ、安心して利用していただける介護事業にはなり得ない。そしてそういう職業に就いていることに誇りを持てなくなってしまう。何より自分の家族に介護とはすばらしい職業だと胸を張って言えなくなってしまう。

それでは他の職業に就けない人が介護職なんだと思われて、介護人材は増えなくなってしまう。そんなことにならないようにしなければならない。

だから自分は虐待とは無縁と嘯くて何もしないのではなく、常に虐待・不適切サービスとは無縁の位置に立つための意識向上の研修機会を持つことは重要である。

だから今年も全国各地で、こうしたテーマの研修講師を務めていくことになろうと思う。

虐待をしない事業者というのは、決して良い事業者ではなく、当たり前の事業者である。しかし介護業界で未だに虐待防止が研修テーマとなる意味の一つは、当事者が虐待とは思っていない行為で、利用者を傷つけているという事実が存在するからである。

人に関わり、個人のプライバシーに深く介入する職業についている人にとって、そのような鈍感さは許されない。その為に、日ごろからどのような点に心掛けて介護業務に当たるべきかを伝えてくる予定だ。

今日は滝川市の関係者の方に、介護の使命や誇りも同時に伝えてきたいと思う。その為に関係者の皆様にエールを送る動画も作成しているので、是非参照願いたい。

それでは滝川市の皆様、後ほど会場で愛ましょう。






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