東京都独自の介護職等の処遇改善策が波紋を呼んでいる。

東京都内の家賃など生活コストの高さを考慮し、都は来年度から独自策として介護職員と介護支援専門員の処遇改善策を実施し人材確保につなげたいとしているが、その概要が明らかになった。

賃上げ対象となるのは都内で働く全ての介護職員と介護支援専門員で、勤続年数が5年以内の介護職員月額2万円を、6年目以降の介護職員全てのケアマネ月額1万円を、「居住支援特別手当」という名目で支給するとしている。
芝公園
特に注目すべきは、都内で働くケアマネジャーがすべて月額1万円の支給対象になっているということだ。当然そこには居宅介護支援事業所のケアマネが含まれる。

2月からの補助金による賃金改善も、6月に統合一本化されて新設される介護職員等処遇改善加算も、居宅ケアマネは一切恩恵を受けることはできない。そのような中で今回の東京都の補助は、ありがたいことだろうと思う。

来年度の予算案に414億円の事業費を盛り込むということだから、改善実施は4月からということになるのだろう・・・日本中の富が集まり、税収財源が豊かな東京都だからこそできる予算措置であると言える。

北海道の関係者からすれば、それはとても羨ましいと思うだけだが、隣接する県の関係者にとっては、人材流出を懸念せざるを得ないことでもある。

隣県の中には、事業所の窓越しに見える川や道路を挟んだ向こう側が東京都という地域も少なくない。

そこで働く介護職員やケアマネジャーは、数百メートル離れた職場に移るだけで、都の補助金が給与に上乗せされるわけである。おそらくその補助は来年度限りではないだろうと思え、長いスパンで月額給与に独自の補助金が上乗せされることと、自らの将来設計を考えたときに、この機会に都内の介護事業者に転職しようとする人がいてもおかしくない。

そうした転職動機を持つことは人情として理解できるし、決して職業倫理に背くことでもない。

そもそも東京都の思惑としては、隣県から人材が流入することが都内の介護事業者の利益と結びつくのだから、そのことも想定・期待しての予算措置であることは間違いない。

だからといって東京都以外の他の県が、同じような予算措置がとれるだろうか・・・そうしてくれればありがたいことだが、財源を考えるとそれは無理は話である。

待遇差を職場の環境改善で埋めようと試みても、都内の事業所だとて人材確保のために職場環境の改善の努力は同じくしているのだ。

仕事の対価としての給与額に差がつく現状は、同じ仕事で得られる生活の糧の格差を明らかにして、同じ仕事をするなら評価の高い職場で働きたいという動機づけを強めるだけだろう。

他県の介護関係者は、東京との格差を問題にしたり、嘆いたりすることしかできないだろう。

その結果、東京の介護事業者へのケアマネ・介護職員の転職が増えるかもしれない。






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