介護事業者における虐待が表面化するケースが増えている。
顕在化される虐待が増えているということは、密室の中で虐待が潜在化してなかったことにされるよりはよほどマシだとは言える。
しかし利用者にとって最も安全で安心できる場所でなければならない場所で、虐待という卑劣な行為が存在し続けるということは大問題であり、それは日本の介護業界の恥部であるといってよい。
そうした虐待数が減っていないということは、介護事業者が自らの首を絞めている状態とも言え、いつか社会全体からしっぺ返しを受けるのではないかと懸念せざるを得ない。
そもそも介護を専門技術として、そのサービスで生活の糧を得る人間によって、虐待というおぞましい行為が繰り返されることは決して許されることではないだろう。人としての品性の欠片もないとさえいえる。
虐待という行為とは無縁の、普通の介護事業にしていかないとこの世は闇になるということは、特別に高い倫理観なんてもたなくても、ごく普通に考えてわかるはずだ。。
特に非課税法人である社会福祉法人は、社会の公器として虐待のない質の高いサービスを実現する先頭に立つ組織でなければならない。しかしそうした社会福祉法人でおぞましい虐待行為が繰り返されている。
哀しいかな昨日も道内で虐待事件が発生したと報道されている。
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(ネット報道などの抜粋)
胆振管内むかわ町内で社会福祉法人「愛誠会」が運営する障がい者支援施設で、男性職員が入所者の女性に対し、体を触るなどのわいせつな行為を繰り返していたとして、同町が障害者虐待防止法に基づく性的虐待と認定した。
性的虐待をしたと認定されたのは、同施設の60代の男性職員。職員は施設に勤務していた3〜10月、知的障害がある入所者の女性1人の体を触るなどした。虐待は職員数が少ない夜勤の時間帯などに繰り返されていたという。
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同法人の小沢政明常務理事は取材した報道陣の前で、「深く反省している。再発防止に努めたい」と話しているが、僕はこの言葉を本気とは思えない。なぜなら同法人の不祥事はこれが初めてではないからだ。
(※画像は虐待法人・愛誠会)
2021年にも同法人の高齢者グループホームで職員が利用者に暴言を吐くなどの精神的虐待があり、町が改善指導を行っており、そのことは、「GH虐待が発覚したむかわ町穂別の社会福祉法人の人権軽視」で論評している。その教訓が全く生かされていないということだ。
道からも心理的虐待と認定され指導を受けるという大きな事件を起こしたにもかかわらず、それから2年しか経たないのに、今度は利用者に対する強制わいせつという破廉恥極まりない行為に及ぶ職員が出たということは、実効性のある虐待防止教育が行われていなかったと言って過言ではない。
そもそも虐待防止の根幹は、利用者をきちんと顧客であると意識して、顧客に対するサービスマナーを徹底することなのである。
そのような教育がこの法人内で全くできていないことは、この法人が運営する特別養護老人ホーム・愛誠園という施設でも、職員の利用者に対するタメ口対応が横行していることでも見て取れる。
法人全体での危機意識の欠如で、事業所が異なれば対岸の火事であるとしか観ていないのだろうか・・・。
鵡川町という北海道の地方部だけで歴史を刻みながら法人規模を拡大して、おかしな権力と勘違いのブランド意識を持った社会福祉法人の厚顔さが垣間見られる。
法人名の愛と誠が聞いてあきれる。このような虐待行為を繰り返して、その名称を恥ずかしく思わないのだろうか。社会福祉法人の冠を捨てて、虐待法人とでも名乗った方が良いのではないのかといいたくなる。
愛誠会という法人は、北海道の恥・社会福祉法人の恥を象徴する組織と印象付けられたと言ってよく、そこからの脱却は茨の道である。
本当に実効性のある職員教育ができるかどうか・・・むしろ解散した方が世のため人のためかもしれない。
それほどの事件を引き起こし、繰り返いしているという意識はあるのだろうか。
どちらにしても理事長はじめ役員は、全員責任をとって退任すべきだろう。
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