僕は今、羽田空港の搭乗口でこの記事を更新している。

今朝7時に自宅を経ってJR東室蘭駅から特急列車で新千歳空港まで移動し、午前10時発の便で北海道を経って羽田経由で松山空港に向かう旅の途中である。

北海道は雪のため滑走路の除雪待ちで離陸が少し遅れ、松山には予定より少しだけ遅れて14時過ぎに到着予定であるが、今日は夕方18:30〜「えひめ医療福祉従事者連絡会つどい」という会の皆様に対し、介護報酬改定をテーマにした講演を行う予定である。

つどいは、保健・医療・福祉・介護・行政関係者の方が横断的に参加している勉強会である。僕は同会を主催している方との繋がりで、コロナ禍以前から松山で仕事がある際には、しばしば時間をとって講演を行う機会を頂いている。

勉強会の後はいつもオフ会も予定されており、幅広い情報交換ができるので、毎回楽しみにしている集まりである。

しかし明日も仕事が入っているので、今晩はほどほどに呑もうと思う。明日は午後からの仕事だから多少呑み過ぎても大丈夫かな・・・。
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どちらにしても今回の松山の仕事のメインは明日午後からである。

愛媛県老施協主催の、「愛媛県老人福祉施設協議会・リーダーを担う中堅職員対象」がその研修会である。

この研修は今年度と来年度に渡って合計5回行う予定になっており、今回はシリーズ2回目の研修となり、「虐待・不適切サービスを防ぐサービスマナー」をテーマに3時間の講演を行った後、GWを1時間行う予定となっている。

先週書いた、「顧客意識を持てない職員の成れの果て」で指摘した通り、介護事業においてサービスマナーという視点をもって利用者に接するためには、サービス利用者お客様であるという意識をきちん持たなければならない。

お客様にマナーをもって接し、お客様に喜んでいただくことによって従業員が介護という仕事のやりがいを感じ、お客様にもっと喜ばれるサービスを提供したいという動機づけが生まれるのである。そのことによって、おもてなしの心(ホスピタリティ精神)を持つことに繋がれば、そこに顧客はさらに集まってくるだろう。

人件費を含めた経営コストが上がる中で、限りある財源の中で支払われる介護報酬を主たる収入とする介護事業は、大規模多角経営を実現して、スケールメリットを最大限に生かした事業経営が求められていく。その為には、顧客確保が重要な経営戦略となってくるのだ。

つまり顧客から選ばれる事業者となるためのサービスマナー意識の向上は、介護事業者の倫理上の問題とか道義的責任という範疇にとどまらず、事業経営上不可欠な要素になっているのである。

今回の松山研修では、そうしたサービスマナーを意識してお客様に接する場の先頭に立って模範となるリーダー職の皆様に、その意義や具体的姿勢について伝えることになる。

その為には、介護サービス利用者がお客様であることをしっかり意識していただく必要があるが、その際に処遇改善加算の構造・計算式を例にして伝える方法もあることを指摘しておきたい。

処遇改善加算の算定単位の計算式とは、1月あたりの総単位数(基本サービス単位数に各種加算・減算を加えた単位数)×加算率であることは今更言うまでもないことだ。

例えばこれを通所介護に当てはめるとしたら、加算率を乗ずるもとになる総単位数は、1人の利用者単位でみるとすれば、利用回数が増えることで多くなるという意味であり、全体からみるとすれば、利用者数が増えれば増えるほど多くなるという意味だ。

各事業者は、その単位数に加算率を掛けて算定した合計単位を金額計算した額を算定するわけであるが、算定した額はすべて従業員に支給しなければならず、1円でも支給漏れがあって事業者収入に組み入れれば報酬返還指導を受けるという性格のお金になっているのである。

つまり従業員にとっては、自分が所属する事業サービスを利用してくれる人が増えること、1人の利用者がサービス利用する回数が増えることが即ち、自分の給与アップに直接つながってくるという意味だ。

介護事業経営者は、しっかりこのことをリーダーに伝え、リーダーは部下にそれを伝達しなければならない。

1人でも多くのお客様を確保し、1人の客様がより多くのサービスを使ってくださることが、即ち自分の給与アップにもつながることも意識し、そのためにサービスマナー意識の向上が求められるという方向から、マナー改善の必要性を理解したって良いだろう。

モチベーションの源とか理由なんて何でも良いのだ。それが金銭であっても全く下品ではない。そもそもプロとは金銭で出力する者を指すのだから、それは極めて当たり前のことである。






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