11/16の介護給付費分科会では、介護保険施設・特定施設・福祉用具・住宅改修の報酬改定議論第2ラウンドの議論が行われた。

僕がここで注目していたのは、老健と介護医療院の多床室室料の自己負担について論点として示されるかどうかであった。

というのも昨年末の制度改正議論で積み残された3つの課題のうち、〕用者自己負担割合2割・3割対象者(一定以上所得者と現役並み所得者)の対象見直し※2割負担者を現行20%から25%へ)と、65歳以上の介護保険料について、年間の合計所得が410万円以上などおよそ140万人の保険料を引き上げ、それを財源として低所得者は引き下げる案については、11/6の介護保険部会資料で示されており、もう一点だけ残されたO祁鬚伐雜邂緡撤,梁疹下室捨舛亮己負担について、論点提示されれば積み残し課題がすべて実現される運びになると思えたからだ。

昨日はそれが提示されなかった。しかし考えてみれば11/6に2つの論点が提示されたのは制度改正を議論する介護保険部会であり、今回は報酬改定を議論する介護給付費分科会だから、その違いなのか・・・それとも6日の介護保険部会の議題としても挙がらなかったことを考えると、それは見送られるのだろうか。

だが、改定率が公表された後の、「介護報酬改定の主な事項」によっていきなり提示される可能性もあるので、ここでは結論を示すことはできない。

それは介護施設の食費の標準費用も同じことで、昨日の資料では何の言及もないが、改定率が示された以後に急に考え方が示されることになるのではないだろうか。
紅葉の絨毯
さて昨日の議論では介護保険施設について、協力医療機関の指定を義務化することが提案され話題となっている。

そてによると1年間の経過措置を設けたうえで、下記の(1)から(3)の要件を満たす協力医療機関を定める義務を課すとしている。
(1)入所者の急変時などに、医師や看護職員が夜間休日を含めて相談対応する体制が確保されていること
(2)診療の求めを受け、夜間休日を含めて診療が可能な体制を確保していること
(3)緊急時に原則入院できる体制を確保していること

※ 複数の協力医療機関を定めることで(1)〜(3)を満たすことも可

特定施設・認知症グループホームについては、(1)と(2)を努力義務とすることも併せて提案された。

協力医療機関を定める規定は現在も存在しているが、これと今回の案はどう違うのだろう。

現在の規定は、どこそこが協力医療機関であると運営規定に定めればよいだけの話で、協力医療機関においてどのような利便が図られるかという点は特に定めがなく、施設と医療機関の間で決めおくだけでよいという規定だ。

極端に言えば、医療機関の承諾を得て、運営規定上に協力病院として名称を記載するだけでも良いわけであり、協力医療機関として特別な対応をとる体制がなくともよいわけである。

しかし今回提案された義務化によって、上記の(1)〜(3)の体制が必要になるわけである。

これは果たして可能だろうか・・・老健と介護医療院については、もともと母体が医療機関だろうから、この体制は比較的容易に構築できるであろう。

しかし特養はそういうわけにはいかない。僕が以前総合施設長を務めていた社福・特養の場合は、母体が医療機関であったので、老健等と同じようにその体制作りは難しくないだろう。

しかし母体がない社福単独型や医療機関以外の母体を持つ特養は、その体制構築は困難である。特に(3)のハードルが高すぎる。

どこの医療機関が、協力施設のためにベッドを空けておいてくれるというのだろう・・・関連施設でない限り、常識で考えてそのような対応はあり得ない。

また(1)と(2)も決して低いハードルではない。これらの体制を全て整えるならば、協力医療機関としての委託料が発生するとされるケースも出てくるだろう。しかし今回の義務化に対する加算報酬はないわけであるから、この義務化は今現在は発生しない経費支出を伴う可能性も否定できない。

今までほとんど議論がない中で、突然示された協力病院の指定義務化とは、これだけのハードルがあることを厚労省は理解しているのだろうか。

どちらにしても簡単に、「わかりました」と承諾できる提案ではないと思う。

全国老施協は、この提案に対してどのような考え方を示すだろうか・・・全国老施協がどちらを向いているのかが、その姿勢によって明らかになるのかもしれないので、ここには注目しておきたい。






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