先週の土曜日、麹町の連合会館で行われた『自治労主催2024年度介護・地域福祉集会全体集会 』に講師としてお招きを受け、介護報酬改定に関連して求められている介護DXについて、その現状と課題を解説させていただいた。
その際、僕の講演の直前に厚労省の総務課長が講演を行うことになっていたため、それを聴けば何か参考になるかもしれないという淡い期待をもって、早めに会場に到着するようにして講演を拝聴させていただいた。
課長講演は格調高い講演で、その次に登壇する僕の講演は、下品で格調低く聞こえるのではないかと心配したが、内容について言えば空疎で意味がないものだったと言ってよく、早起きして会場に駆けつけて聞くまでもなかったと言うのが本音である。
その為、講演途中で思わずSNSに次のようなつぶやきをアップしてしまった。
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現在、厚労省老健局総務課長が講演してますが、僕はこの次に壇上に登ります。いつものことながら、官僚の講演は分かりきった表に出ている資料解説にしかすぎません。時間の無駄です。僕の話で無駄が少しでも取り戻せるようにしなきゃあな。
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大変不遜で申し訳ないが、それほど内容がないという意味だ。

岸田内閣の経済対策としての介護職らの給与引き上げ策にも全く言及がないし、介護報酬改定の施行時期が来年4月ではなく6月まで引き延ばされる可能性が高いことにも触れられていない。ましてやこの集会に参加して初めて耳にできるような新情報は皆無である。
僕にとっては、解説がいらない資料の説明のみで終わった講演であった。よってわざわざ早めに会場入りして聴くまでもない講演ということであり、時間の無駄にしか過ぎないという結果になったのである。
だがそれは官僚という立場であれば仕方がないことなのだろうと思ったりした。
例えば、この講演の直前に行われた介護給付費分科会で、どのような議論があって、何に注目すべきかなどは官僚の立場としては言及できないのだろう。なぜならそれは議論の最中の問題であり、結論が出ていないからだ。
結論が出されていない問題に言及した場合、議論の方向性を誘導しているなどと批判される恐れがあるのだろう。
同じように表に出ていない関係者のやり取りの情報も、「ここだけの話ですが」などと言及することは不可能なんだろう。
この部分は、僕のように自由な立場で、誰にも忖度する必要のない人間との発言の自由度の違いといってよいかもしれない。
どちらにしても官僚の講演というものは、その身分と立場に縛られて非常に不自由な制限のもとに行っているということを理解しなければならない。よって既出資料の説明に留まるもので、新たな情報は出てこないと考えるべきだ。
だからこそこの時期に、厚労省の官僚が介護報酬改定に関して講演することを有難がる必要はないし、そういう人を講師として呼ぶべき価値もないと考えた方が良いのである。
そのことは、先週の土曜日に連合会館の会場で、課長講演と僕の講演を聴き比べた人なら実感できたのではないかと思う。




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