政治家もいろいろな資質の持ち主がいるが、了見が狭く見識に欠ける人間が上に立って、かつ公の場で、その偏った価値観が絶対であるかのような発言をする姿ほど醜い姿はない。
恥を知らないというその姿は、一政治家の恥だけではなく、その政治家を選んだ有権者の恥でもある。・・・そういう意味で秋田県の人々は、今本当に恥ずかしい思いをしているのではないのか。
秋田県の佐竹敬久知事が、23日、秋田市での講演で、全国知事会で訪れた四国地方の料理について「メインディッシュがいいステーキだと思って開けたら、じゃこ天です。貧乏くさい」「酒もうまくない」などと酷評。高知県で水揚げされる魚「どろめ」を「あのうまくないやつ」とも表現した一方で、「秋田ほどうまいものがある所はない」「秋田にはいかにいいものがあるか。さまざまな自然、風、水、美人。男もいい」と語ったという。
お国自慢もここまで行くと顰蹙(ひんしゅく)ものでしかない。
確かに秋田のお米は旨い。日本酒もうなるほどおいしいものがたくさんあり、新政を呑んだら杯を手放せなくなる。きりたんぽは僕的には好みではないが、僕以外の我が家の家族には大人気だ。そのほか比内地鶏や、稲庭うどんなど美味しいものがたくさんある。何より秋田の女性は美人だ。それは否定しようもない事実だ。
しかし愛媛のじゃこ天は、練り物では常にトップランクに位置する美味しいものだし、そのほかにも鯛めしをはじめとした美味しい食べ物はあまた多い。地酒も秋田に劣らず旨い酒がたくさんある。人は男女ともに優しく素敵な人が多いのも事実だ。
四国全体で言えばそれが4倍になるどころか、それ以上に魅力に満ち溢れて、素敵なところを挙げればきりがなくなる。
そもそも地元と他県を比べて優劣をつけようとすること自体がどうかしている。同じ日本の中で、それぞれ優れたものがたくさんあるのが日本のそれぞれの地域であり、甲乙つけがたいのが日本の都道府県である。それはとりもなおさず、日本という国が、景色と美食に恵まれた素晴らしい国であるということだ。
日本が世界に唯一誇ることができない恥ずかし事は、政治家が厚顔無恥であることくらいではないのかと思う。
僕は普通の人が他県を訪れるより、はるかに数多く日本中を旅している。講演をしていない県も、山梨県と鳥取県の2県以外ないほどだ。
その僕がいつも困るのは、行く土地行く土地に、様々な美味しいものがあって、1度の訪問ではすべて食べきれないということだ。日本には、まずいものしかない地域なんて存在しないのである。
そもそも自慢は、他のものをけなしたうえに成り立つという考え方が貧し過ぎる。他と比べなくても良いものは良いのである。良いものが唯一無二の存在である必要はなく、他にもそれと並ぶほど良いものがあれば、それは即ち日本が良いという意味なんだから、他県をけなすような言動は厳に慎むべきである。
そういえば介護の世界でも似たようなことは常に起こっている。
日本介護支援専門員協会の柴口会長が24日の記者会見で、協会が介護離職を防ぐ人材を養成していることに言及し、協会が養成し、認定しているのは、『ワークサポートケアマネジャー』としたうえで次のような発言をしている。
『協会は産業ケアマネジャーの養成に一切関与していない』・『ワークサポートケアマネジャーと産業ケアマネジャーは全く違うもので、我々協会は充実した研修カリキュラムなどで質の高い人材をワークサポートケアマネジャーとして養成している。』
あたかも協会が養成している『ワークサポートケアマネジャー』が本物とでも言うようないい分であるが、まったく独善的過ぎる発言である。
産業ケアマネも厳格な試験で合否決定し、その中で資格を得た人が、『産業ケアマネ』として介護離職を防ぐ活動を全国で展開しているのだ。その活動によって助けられている人が全国にたくさんいる事実を無視した発言としか思えない。
両資格ともヤングケアラーの支援や、介護離職の防止のために存在するのだから、お互い頑張って世の中を良くしましょうとなぜ言えないのか・・・了見が狭いというより、日本介護支援専門員協会の利益ありきで、国民の利益というものが見えていない人の発言としか思えない。そんなトップをいつまでも仰いでいてよいのだろうか・・・・。
そういう意味で、日本介護支援専門員協会会長の発言も見識に欠け、了見が狭い、あまりに手前勝手は主張と思ってしまうのである。・・・というかこの団体自体が、もともと見識なんてない団体であるのかもしれない。
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