昨日の介護業界は、「政府・与党は月内に取りまとめる経済対策で、介護職らの賃上げを盛り込む方針を決めた」というニュースの話題が盛り上がり、その詳しい内容とはいったいどのようなものになるんだろうという情報を求める声が沸き上がった。

その報道内容を転載すると以下のようなものだ。
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政府・与党は月内に取りまとめる経済対策で、介護職らの賃上げを盛り込む方針を決めた。政府内には月6千円引き上げる案があり、最終調整している。来年2月の実施を目指す。物価が高騰し、今年の春闘では他産業の相次ぐ賃上げで介護分野から人材が流出。深刻な労働力不足を止めるためにも、緊急の処遇改善策が必要と判断した。10/18朝日新聞Webより抜粋
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介護の仕事の底辺化を防ごう
報道記事にも書かれている通り、この背景には物価の上昇分を介護サービスの価格に転嫁できない介護事業者の経営は悪化し、インフレを上回る賃上げが困難であるという問題がある。

そのため一時縮小されたといわれていた全産業平均賃金と、介護事業者の従業員の賃金格差が広がり、介護人材確保が益々困難になっている。

僕が管理する表の掲示板でも、複数のスレッドでこの報道に関する詳細も求める意見が書き込まれているが、一番問題となるのは報道記事で、「介護職らの〜」とされていることだ。

特にこの報道に敏感になっているのは、これまで処遇改善の恩恵を全く受けられず、加算配分の蚊帳の外に置かれている居宅ケアマネの皆さんだろう。現に表の掲示板では、これも居宅ケアマネが対象外なら、もうケアマネは辞めようと思うという意見まで書き込まれている。

それももっともな意見だ。日本の福祉の底辺を確実に引き上げて、地域の高齢者の心の杖になっている居宅ケアマネが、ここでも報われないなら、誰が実務5年も経た後に、勉強して試験合格しようという気になるのかという問題である。

介護支援専門員も高齢化し、募集に応募がない地域が増えている。だからこそ是非この賃金アップは、ケアマネジャーを含めてもらいたいと思う。

それにしてもこの賃金改善と報酬改定時の現行の処遇改善3加算の統合・一本化については、どのように整合性がとられていくのだろうか・・・。

来年2月の実施を目指すとされる6千円/月の給与改善とは、経済対策っていうことなのだから、明らかに介護報酬加算ではない。すると補助金ということになって、現行の3加算に上乗せして補助支給されるものではないかと推測される。

そして報酬改定の際に、3加算が統合・一本化される際に、補助金分も上乗せされるのではないだろうか。だがこの経済対策で国費を支出した分だけ、介護報酬の引き上げ率は下がるのである。そのことは覚悟しておかねばならない。

また2月から実施するという意味も、報酬改定施行時期が6月になる可能性が高いので、差し引くと4月昇給と同じになるという意味だろう。そう考えると決して諸手を挙げて喜ぶような対策とは言えないかもしれない。

ところでこの経済対策は黙っていて支給されるわけではない。当然のことながら事務処理は半端ではなく大変である。補助金申請業務に、事務担当者は振り回されることになるが、さらに報酬改定時には、別様式と別ルールで申請のし直しという事態が想定される。

これは4月の報酬改定施行時期を繰り延べないと事務処理が追い付かないということになる。

報酬改定の施行時期は6月に引き伸ばすという考え方に、ますます信ぴょう性がついてきたといえよう。

そしてそうした大変な事務処理を担当する職種は、明らかに「介護職らの〜」という職種に含まれず、この賃金アップの恩恵を受けられない・・・事務担当者も辞めたくなるというものだろう。






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