僕は昨日から東京都内に滞在している。昨日は移動日だったのでホテルでゆっくり今日の仕事の準備をして、夜は近くのお店で一人のみした。食べ物に興味のある方は、「masaの治と骨と肉〜きみとの仲を、とりもつに、んげんはいないのか。」を参照いただきたい。

さて今日は午前中、神奈川県内の介護事業者の方と東京駅近くで打合せを行った。

今後、その事業者の職員研修を定期的に手掛けるための打合せである。首都圏に出向く機会が今以上に増えそうである。

その仕事を終えた後、先ほどビジョンセンター東京八重洲に到着した。
東京ミッドタウン八重洲
今日はこれからC-MAS 全国大会2023に参加して、全日程を終える17:30までここに滞在予定だ。

僕自身も13:30〜講演を行う予定であるが、内容は介護保険制度改正と介護報酬改定について短く50分にまとめて論評するというものだ。

そこでは11日の介護給付費分科会で突然のように示された、「介護報酬改定の施行時期について、介護現場の職員やベンダの負担、医療と介護の給付調整、利用者にとってのわかりやすさ、施行時期が変更された場合の事業所や介護保険事業(支援)計画への影響などを踏まえ、どのような対応が考えられるか。」という論点についても論評しなければならない。

この論点の意味は昨日の記事でも紹介したが、介護報酬改定の施行時期について2月先送りして6/1〜とするというものだ。

国があえてここでこの論点を示したということは、国としての方針は施行時期の先延ばしに舵を切っているという意味だろう。

これに対して、11日の介護給付費分科会では全国老施協が反対の声を挙げている。診療報酬の改定施行時期がずれたからと言って、それと直接関係ない介護報酬まで時期をずらす必要はないという意見であるが、その背景には当然プラス改定を織り込んで、その時期を少しでも遅らせたくないという意図が働いているのだと思う。

また全国市長会の代表委員も、「処遇改善加算など、年度単位での計画策定・運用が必要な仕組みは対応が難しくなる。6月実施に変えると、事業者や市町村の窓口などに混乱が生じ、かえって負担が重くなりかねない」と時期先延ばしに反対を唱えた。

これに対して医師会や老健協は、時期先延ばしに賛成の意見を述べている。「LIFEが導入されたこともあり、介護現場の負担は病院などと同様に非常に大きい。6月に遅らせて頂きたい」という意見があるように、医療DXの推進など準備作業に時間がかかるのが主な理由であるが、日本医師会の代表委員は、「6月実施以外あり得ない。」とまで言い切っている。

このように賛否両論が展開されたわけであるが、国会に議員を送り込んでいない全国老施協と、複数の議員を国会に送り込んでいる医師会では勝負にならないことは目に見えており、どうやら介護報酬の改定施行時期も2024/6/1〜ということになりそうである。

しかし時期先延ばしの反対論者の方々も、このことにあまり目くじらを立てる必要はないと思う。

そもそもプラス改定が決定しているわけではないのだから、2月の改定時期のずれが経営ダメージにつながるとは限らない。仮にプラス改定になったとしても、今後改定時期はずっと6月からとなるのだから、プラスされた報酬が36カ月継続されることには変わりないのだ。

仮に2027年の改定がマイナスになるとしても、その時期も2月引き延ばされるのだから、なが〜い目で見ると何も変わりがないことだ。

この2月に経営ダメージが生ずるとしたら、それはもうすでに経営が行き詰っているという意味だから、報酬改定でどうこうなるものではないと考えるべきである。

それに時期先延ばしには、わずかながらもメリットもある。現在3本建てになっている処遇改善加算は統合一本化される予定であるが、これについては現行の処遇改善関連加算が廃止され、新たな処遇改善加算が新設されると考えた方が良い。

すると現行加算より不利益を被る職種等が出てくる可能性が高いので、これらの職員に対する説明に時間を要する。さらに新加算の届け出書類は現行の3加算と異なるために、その事務作業に時間を要する。

それらの説明・事務作業時間が施行時期先延ばしにより、十分期間がある中で行うことができるようになるのである。

それらを考えて、時期先延ばしはやむを得ないこととして素直に受け入れたほうが良いのではないだろうか。このことで文句を言う暇があったら、確実にプラス改定を勝ち取る方向にエネルギーを使うほうが良いと考えよう。

この後、そんな話をしてくる予定だ。






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