大学を卒業して以来勤めていた社会福祉法人を退職し、独立開業してからもうすでに8年という歳月が経ちました。

この8年間はフリーランスとして全国各地で講演等の活動をしており、所属法人の勤務時間に縛られるということがないために、比較的自由に時間を使えています。この点がフリーランスの一番のメリットだと思っています。

社福に所属していた当時は、法人の規定の中で働いていましたので、自由にできない時間も少なくありませんでした。その為、講演依頼を受けても都合がつかずにお断りするケースも少なくありませんでした。現在はそのようなことがなくなり、ご依頼をくださる方にご迷惑をかけなくて済むようになっております。

社福所属当時の僕は、相談員や介護支援専門員の経験を経て、最終的には法人の総合施設長となりましたので、シフト勤務の経験はなく、土日祝祭日が休みで1日8時間勤務(拘束9時間)という就業形態でした。

その中で、祝日であるにもかかわらず必ず出勤しなければならない日というものがありました。それが今日=敬老の日です。

敬老の日は 2002年までは9月15日でしたので、その日に出勤。2003年からは9月の第3月曜日が敬老の日とされましたので、必ず3連休の最終日となるその日に出勤していました。

というのも、その法人では敬老の日に合わせて「お祭り」を行っていたからです。

そのお祭りは利用者や家族だけではなく、地域の方々も参加できるイベントでしたので、かなり大掛かりに実施されていました。だから祭りの前後の日も、準備や後片付けなどにも手がかかり、この時期は本当に忙しかった記憶があります。
風の盆
そんなイベントもコロナ禍では休止されている状態が続いていたと思います。しかし今年は3年ぶり、4年ぶりに敬老の日を祝うイベントを行っている介護事業者が多いのではないでしょうか。

ただし新型コロナウイルスは感染分類が変更されただけで、なくなったわけではないので、依然としてクラスター感染が発生している施設も少なくないようです。それに加えてインフルエンザが流行している地域もあるようで、感染予防対策に敏感にならざるを得ない事情があり、イベントはなるべく内輪でひっそりと行うというところも多いでしょう。

それぞれの事情に応じてイベント等は企画・実施されてしかるべきですね。ただしどちらにしても主役は、私たちの目の前に居る利用者の方々です。その方々にとって、日々の暮らしが豊かになるように、そのためのエッセンスとしてイベントが行われるべきであるという本質を忘れないで、できることすべきことを考え続けたいものです。

例えば敬老の日を前面に出して派手な形でお祝いをしても、日常に敬老の精神がないのであれば、それは何の意味もないことです。

イベントを盛大に行って利用者に参加してもらって、わずかな時間だけほんの少し愉しむ時間ができても、それ以外の日常を無表情で空しく日々を過ごしているとしたら、その空間には不幸という言葉しか浮かびません。

非日常のイベントを心から愉しむためには、平穏でなおかつ豊かな日常がなければならないということを忘れてはなりません。

特に介護保険施設や居住系施設の関係者は、ひとり一人が平穏で豊かな日常を創造するコーディネーターであると考えてほしいのです。

今日あるいはこの3連休を利用してイベントを実施している介護事業者の方々は、そこに居る利用者の方々の表情を追うだけではなく、イベントの前後の日の利用者の表情をしっかり見つめる眼を持ってほしいと思います。

誰かのあかい花になるために・・・。






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