僕は介護支援専門員の資格を持っているが、現在はケアマネ実務には携わってはいない。
しかしケアマネジメントリーダーの資格は持っているし、長年、施設ケアマネと居宅ケアマネの実務及び、それらの専門職に対するスーパービジョンを行ってきたという実績がある。
そういう意味では、ケアマネジメントは僕の専門分野と言っても良いのだ。
さらに僕自身は日ごろからケアマネ応援団・ケアマネサポーターを自称しているので、全国各地の介護支援専門員の職能団体からお招きを受けて、ケアマネジメント実務に関連する講演を依頼されることが多い。
(※ただし、日本介護支援専門員協会からは嫌われているので、そこから招かれることはない。)
先日もあるケアマネジャーの職能団体から、『知り合いから、「菊地先生のケアマネの本来業務について考えることがテーマの研修を開催して大変好評だっだ」という話を聴いて、是非私たちの会も先生に講演をお願いしたいと思いました。』という趣旨の連絡をいただいた。
そこに添えられていた講演テーマに関する希望については、『ケアマネジャーは魅力のない職業になっている、ケアマネジャーは「何でも屋」と化しており、利用者だけではなく他職種からも行政からもアレヤレコレヤレと言われ、バーンアウトしてやめていく人もいる…そうならないように、ケアマネジャーの職業に誇りを持つことができる話をお願いしたい。』と連絡を受けた。
そうした依頼については、いつも二つ返事でお受けさせていただいている。介護支援専門員という資格は、日本の福祉の底辺を引き上げているとても重要な資格であり、その有資格者の皆様に勇気と元気を与えるために僕ができることがあるとすれば、それを躊躇する必要はないからである。
そういう機会を頂いた場では、ケアマネジャーは決して魅力のない仕事ではないことをしっかり伝えたい。ケアマネジメント実務は、この国で生きる誰かを支える使命と誇りある職業であることを明示したいと思う。
今、どこかで災害が起きたとき、要介護者の安否を確認し、できる限りの手を差し伸べてくれるのは家族とケアマネジャーである。行政の手が届かないところで、ケアマネジャーは懸命に動いてくれるのだ。
仮に被災地で、ケアマネ自身やその家族が被災したとしても、自身が動くことができる状態でありさえすれば、ケアマネジャーは自分の担当者を決して放ってはおかない。
そのことは介護保険制度創設により、この国に介護支援専門員という有資格者が誕生した以後に起こった大災害(※新潟地震や東日本大震災や北海道のブラックアウト等)で証明されている事実だ。
要介護者にとって、これほど頼れる存在はないのである。

そうした専門性を持つ人たちが、「何でも屋」と化し、便利遣いされることにバーンアウトしているという・・・。確かに適切なケアマネジメント手法の策定・普及推進(2016年〜10か年計画)においても、そうした感がないではない。
「仕事と介護の両立支援」や「ヤングケアラーへのアプローチ」をケアマネジャーの新たな役割として求めていながら、それに対する正当な対価を与えようという動きは全くない。
国はケアマネジャーを、ただ働きさせて当たり前の職種だとでも思っているのだろうか・・・ケアマネジャーはプロの対人援助職であって、ボランティアではないぞと言いたい。
そういうと、お金がもらえなければ役割を持てないというのかと批判する向きもあるが、プロは金銭で出力するんだ。対価を伴うから、与えられた役割にふさわしい結果を出すために日々努力と研鑽を重ねるのだ。
ボランティア並みの素人仕事しか求めないなら別の話であるが、役割を担わせ、結果を求めるのであれば、きちんとそれに見合った対価を要求するのは当然のことである。
しかしこれだけ新たな役割を与えられる職種というのもほかにあまり存在しない。それだけ頼りになる、守備範囲の広い職種であると期待されているという意味だろう。
だからこそ介護支援専門員は、あらゆる相談に幅広く対応できる専門家として、そのための知識と援助技術をしっかり身に着けてほしい。そしてそうした対応のプロとしてふさわしい対価を求めてほしいと思う。
さて明日もそんなことを伝えるために、今日これから明石市まで移動予定だ。このブログ記事は、新千歳空港の伊丹空港行き便待ちの搭乗口で慌ただしくアップしている。
これから伊丹空港〜三ノ宮〜西明石と移動予定だ。(※神戸空港に飛んだ方が便利であることは間違いないが、新千歳からの便数が限られているため、ちょうど良い時間の便がなかった。)
明日は、13:30〜明石市医師会館で行われる明石市介護事業所連絡会居宅部会主催・ケアマネ対象研修会の講師を務める予定である。テーマは、「介護支援専門員の使命と誇り」である。
介護保険制度改正・介護報酬改定を前にして、改めて介護支援専門員に社会が求めている役割をしっかっり把握しながら、それに応える根拠あるケアマネジメント実務のあり方を伝えてくる予定だ。
今日はその前夜祭として西明石駅近くで懇親会が予定されている。今年に入って2度目の明石であるが、今回も明石の蛸をはじめとした美味しいものをたくさん食べてきたいと思う。





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