今年のお盆帰省のUターンピークは15日と言われていた。

ということは先週金曜日の山の日の祝日からお盆休みを1週間とれる人も少なくなかったということだろう。

シフト勤務が中心で、お盆休みとは縁がない介護事業関係者にとって、それはとても羨ましいことに思える。

しかし台風7号の影響で、東海・近畿地方ではすでに交通に影響が出ている。新千歳空港の発着便にも影響が出て、今日夕方の伊丹空港や関西国際空港等への出発便などで欠航が決まっている。(※ピーチの名古屋行きは午前中から全便欠航している。

明日はもっと大きな影響が出るとされているので、昨日までにUターンを速めた人も多いのではないだろうか。

しかし明後日以降まで自宅に戻れない人の方が多くなるかもしれない。身の安全が何より大事なので、焦らず対応していただきたい。
風鈴寺
ところで今年のお盆は新型コロナの感染分類が変更になったことで、3年ぶり・4年ぶりに故郷に帰省したという人も多いはずだ。

そこで介護施設等に入居している家族や親族に久方ぶりで逢いたいと思っていた方もいるのではないかと思う。

しかし介護保険施設や居住系施設で未だに面会制限を行っているところも少なくはない。特に対面の面会を完全に禁じているところでは、久しぶりに帰省して身内と何年かぶりに逢おうとしても、「感染予防対策」の名のもとに、利用者やその家族・親族等の願いや思いがすべてつぶされてしまうわけである。

それが対人援助サービスとしての姿であってよいのだろうか。

そうした制限を続ける理由は、クラスター感染を恐れてだと思うのだが、新型コロナウイルスはなくならない。ずっとこの感染症とは付き合わねばならないのだから、実際にクラスター感染が起こっていない状況で面会制限をし続けてよいのかを考えなけれなならない。

勿論、制限を続けている施設関係者にもジレンマがあるようで、表の掲示板の関連スレッドにも、様々な意見が書き込まれている。

関係者の皆さんもいろいろと悩み、苦しみながら苦渋の決断として制限を続けている様子が見て取れ、その気持ちもわからないではないか、しかし時間や人数の制限や面会場所の指定はあっても仕方がないとしても、少なくとも対面の面会を完全に禁ずるなんてことは、もうあってはならないことと考えるべきではないかと思う。

僕は8年前まで社福の総合施設長を務めていたが、その当時特養の年間平均死亡者数は定員の2割〜3割と言われていた。つまり100人定員の施設であれば、1年間で20人〜30人の利用者が死亡退所するという意味だ。

そうであれば今、100定員の特養でお盆を過ごしている人のうち、20人〜30人の利用者が来年のお盆を迎える前に亡くなられる可能性があるということになる。それらの方にとって、お盆で帰省している愛する誰かと逢える機会は今だけなのかもしれないということを考えてもらいたい。

私たちの仕事は誰かの暮らしを豊かにするためにあるのだ。ルールや制限でがんじがらめにして、利用者の命の安全だけを図る仕事ではないのだということを思い出してほしい。

特に高齢者介護においては、この世で縁を結んだ愛しい人々との最期の愛のエピソードづくりの支援ということが、私たちの重要な役割になることを忘れてはならない。

縁を途絶えさせる役割なんて、私たちには持たされていないのである。




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