僕が講演を行う際に、講演のテーマが何であってもその締めとして自作動画を流すことが多い。
その理由は、日ごろ対人援助の場で頑張っている人々に、その仕事は社会になくてはならない尊い職業であり、本来の使命を果たすことができれば、誰もが誇りを持つことができる職業であることを伝えるためである。・・・と同時に、そうした職業に従事している人たちにエールを送るためでもある。
講演を聴いて納得した・・・よくわかったというだけで終わるのではなく、その締めに見た動画で自身の仕事の誇りを改めて感じていただき、送ったエールに応えようと、その日以降の仕事の活力になってもらえるように願いを込めて作成している動画である。
その動画はどんなものか知りたい方は、「未踏の地・せたな町での講演」という記事の中で、ユーチューブ動画のリンクを貼っているので参照してほしい。
それを見てわかるように、講演を行う地域の様々な名所・名跡などを盛り込んで作成している動画である。
これらの動画のBGMとして使っているのは、AAA(トリプルA)のLOVEという楽曲である。
この曲を動画音楽に使っているのは、詩が僕の心の琴線に触れたからである。
ある日、JALの航空機内で偶然この曲を聴いてビビビッときた。「足早にすれ違う人と人の隙間で、こぼれて消える、見えない涙・小さな勇気」という言葉がまず耳に残った。
僕たちの職業でも、知らず知らずのうちに仕事の忙しさや、人間関係の煩わしさにまぎれ、見逃してしまっている見えない涙や失くしてしまっている小さな勇気があるんじゃないかと感じた。
それでは駄目だとも思った。だから僕の動画には次のようなキャンプションをつけたスライドを入れている。

そして次に耳に残った言葉は、下のスライドの言葉だ。

対人援助の職業に就いている僕らであるからこそ、どんな時も立ち止まりそっと手を差し出せる人になりたい・人でありたいとも感じた。
しかし言うは易く行なうは難しである。
先日も東京・山手線で運よく座席に座れた満員に近い電車内で、ドア付近にうつむくように座り込んでいる若い女性がいた。
僕は単にその人が行儀が悪いだけかと思って、声もかけなかった。しかし中年の女性が、「大丈夫?体調が悪いの?」と声を掛け、すかさず席を譲った姿を見て、初めて蹲っている女性が体調が悪かったことに気が付いた。
何故そんなことに早く気づいてやれなかったのかと後悔すると同時に、仮に僕が最初に座り込んでいた女性の体調の悪さに気が付いたとして、とっさに声を掛けることができただろうかと考えたとき、自信をもってできるとは言えない自分が居た・・・。
見知らぬ女性に声を掛ける勇気がなかなか持てないと思ってしまうのだ・・・しかしそれでは駄目だと改めて思った。そんなことで対人援助の本質を、壇上から偉そうに語ることなどできないと思った。
見えない涙を見逃さず、小さな勇気をもって立ち止まって声を掛け、手を差し伸べる人にならなければならないと心から思う。
LOVEは、そんな思いを常に僕に思い出させてくれる楽曲である。
この楽曲は使用料を支払ってルールに沿ってBGMとして使用しているので、ユーチューブで配信しても削除されないことを申し添えておこう。
なお今回は9/22に行われる、「明石市介護事業所連絡会居宅部会主催・ケアマネ対象研修会」に向けた動画を作成したので、下記に紹介しておく。明石市の介護関係者の皆様は是非ご覧になっていただきたい。




北海道介護福祉道場あかい花から介護・福祉情報掲示板(表板)に入ってください。
・「介護の誇り」は、こちらから送料無料で購入できます。
・masaの看取り介護指南本「看取りを支える介護実践〜命と向き合う現場から」(2019年1/20刊行)はこちらから送料無料で購入できます。

新刊「きみの介護に根拠はあるか〜本物の科学的介護とは」(2021年10月10日発売)をAmazonから取り寄せる方は、こちらをクリックしてください。