通所サービス等での送迎を担当する職員は、法令上特に資格要件はなく、自動車運転普通免許証を持っている人なら誰でもできるとされている。

つまり決してプロのドライバーが送迎車の運転をしているわけではないのだ。

僕の印象で言えば、介護保険創設前あるいは創設直後の通所サービス送迎は、当該事業所の介護職員が送迎の際に運転を担当するケースが多かったように思う。その当時は、サービス提供時間中は介護職員として利用者に接する介護職員が、送迎時間のみ運転手として役割を果たすことが当たり前と考える向きがあったように思う。

しかし最近では、介護職員が送迎ドライバーを兼務するケースがずいぶん減ってきたように思う。

その理由は、送迎時に見守りなどを行う必要性がある利用者が増えたりするなど、運転手以外の付き添い者として介護職員の必要性が高くなったといことがあるのだろう。

そもそも運転業務を嫌って通所サービスへの就業をためらう介護職員もいることから、介護職員の確保を最優先とする視点から、送迎運転のための職員を別途配置するケースが徐々に増えていったように思う。

今では大多数の事業所が、送迎担当者をサービス担当者とは別に配置したうえで、そうした送迎専任者が対応しきれない部分を、サービス担当者が交代で運転業務にあたっているという事業所が多いのではないだろうか・・・。

大きな法人等では運転手部門が別にあり、通所サービスやショートステイの送迎を、それらの運転専門部門が担うケースもあるだろう。しかし小規模の事業所では、そういうわけにもいかず、様々な形で専任の運転手を確保している。

その中には、65歳を超えた定年退職者を運転手として再雇用して、送迎を担当させているケースも少なくない。
黄昏に咲く花
どちらにしても介護事業の送迎運転担当者は、様々な職種の人が行っており、かなり高齢な送迎ドライバーもそこに含まれることになる。

勿論、高齢ドライバーだから事故の危険性が高まるということではないだろう。むしろ運転経験の少ない若いドライバーの方が、運転操作に信頼がおけないというケースもあるかもしれない。

しかし一旦定年退職した高齢者の方であれば、どうしても認知機能低下による運転技量の低下は懸念せざるを得ない。

しかも昨今、介護事業の送迎中の事故が増えているようにも思え、何らかの対策が必要と考えている経営者や管理職の方も多いのではないだろうか。

そのような中、今年4月26日に群馬県太田市の国道17号上武道路で、介護施設の送迎用ワゴン車と大型トラックが衝突し高齢者3人が死亡した事故が起きている。

それを受けて藤岡市の社会福祉法人が、送迎担当の運転手を対象に運転適性検査を実施したという報道がされているが、こうした検査は今後、(送迎サービスを行う)すべての介護事業者で、運転担当者に定期的に実施すべきだと思う。

送迎を伴う介護事業において、それは必要不可欠なリスクマネジメントであると同時に、お客様を護るための道義上の責任と言えるのではないだろうか。

しかし運転適性を判断する際に、どのような検査をすべきかが問題である。

そこで僕がお勧めしているのは、科学的根拠に基づいたロジックで認知機能を判定できる検査法、脳体力トレーナーCogEvo(コグエボ)である。

このアプリは、認知機能を「見当識」「注意力」「記憶力」「計画力」「空間認識力」の5側面に分類してチェックする仕組みとなっており、自分の現在の認知機能状態や、その日のパフォーマンスを確認できるという特徴がある。

だから運転業務に入る前のごく短い時間で、まさにその瞬間の5機能(空間認識力等)を確認できるのである。特に運転技量に関連深い、「注意力」や「空間認識力」も測定できる点が優れている。

実際にこのアプリを利用している通所介護事業所では、当初は利用者のみが活用していたが、導入後、しばらくして送迎を担当する高齢ドライバーにも活用できることに気づき、今では毎日、送迎業務前に運転担当者が認知機能チェックを行っているところもある。

こうした取り組みを行うことは、利用者の皆様が安心感を与えるだけではなく、送迎担当者のドライバー自身も、自分の運転能力に自信をもって業務にあたることができるという安心感につながり、働きやすい職場であると感じることにもつながるのだろうと思う。

送迎を伴う介護事業の関係者の方々には、是非こうした方法でのアプリ活用も期待したいところである。ということでそうした活用も含めて、脳体力トレーナーCogEvo(コグエボ)導入の検討をされてはいかがだろうか。
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