介護事業を巡る状況が厳しい方向に変化しています。
ベッドが埋まらない特養や、定員が埋まらない通所介護が単年度赤字決算となっていますが、そうした施設・事業所は今年3月末時点でそれぞれ4割以上になっていると言われています。
さらにそこに人材不足が追い打ちをかけています。
潜在的利用者を掘り起こして顧客確保する方策はあるのに、サービスを提供する人材が居ないために、そうした動きにも制約が生まれています・・・はたまた人材が居ないために、サービスの質が担保できず、地域住民から選んでもらえない施設や事業所も存在しています。
つまり利用者から選ばれて健全な経営を続けるためには、優秀な人材を集めて定着してもらい、人財として成長させることが必要不可欠なのです。介護事業の生き残りには何より人集めと教育が必要となっているのです。
しかしこのような厳しい状況下でも、人材確保にさほど苦労しておらず、定着率が高い介護事業者が存在しています。得てしてそうしたところは職場環境が良く、サービスの質も高い職場であることが多いのです。
介護福祉士養成校の卒業生の就職先としても人気が高い、そのような職場には共通する特徴が見て取れます。
それはそこには必ず介護実践の場に、優秀なリーダー役がいて、若い職員の見本・手本となって人を育てているという特徴があるのです。
僕が非常勤講師として教えている介護福祉士養成校の学生を見ると、建物の新しさや豪華さは実習希望動機とはなっても、就職希望動機とは必ずしも一致しないことがわかります。就職希望先として人気が高い介護事業者には、必ずリーダーシップの高い職員がいることが見て取れるのです。
よって今後の介護事業経営を考えるとき、介護の場でリーダーシップをとることができる有能な人材を育てることが急務になってきます。
そこで愛媛県老施協では、今年度から来年度にかけて各職場の中堅リーダーを対象にした「特別研修」を実施することにしました。その講師役を僕が務めることになっています。
特別研修は、質の高いサービスの提供・人材定着を図るためのリーダーを養成することを目的とするとともに、上司や他の職員と一緒になって業務の改善や改革等に取り組むことができるリーダーの育成を学ぶことで、成果を出せる組織になることを目的とします。
研修は講義(180分:途中に休憩を入れます)+グループワーク(60分)の合計4時間で構成し、下記の内容で2年度にわたって合計5回の予定を組んでいます。
第1回.令和5年8月22日(火)「リーダとして求められる職員教育とハラスメント対策」
第2回.令和5年12月13日(水)「虐待・不適切サービスを防ぐサービスマナー」
第3回.令和6年5月頃「介護保険制度改正と報酬改定の状況から考える介護事業経営」
第4回.令和6年8月頃「チームワークと組織運営」
第5回.令和6年12月頃「専門職としての社会的使命〜正しいADL・QOL支援〜看取り介護まで」
昨日の午後は上記の内容の詳細について、愛媛県老施協・令和4年第1回施設長研修会の場で説明させていただきました。
愛媛県老施協会員施設・事業所の施設長さん方が、その内容を確認して各職場からそこに職員を派遣するか否か、派遣するとしたら誰をどのテーマの研修に派遣するのかを決めていただくのが目的でした。
おかげさまでたくさんの施設長さんが、その内容を聴いて職員を派遣してくれるという声をいただきありがたく思いました。
その期待に添うように、受講される中堅リーダーの方々が、各職場に持ち帰って実務に生かすことができる現実論・実務論を伝えたいと思います。
8月から始まる特別研修をよろしくお願いいたします。
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私の実家がある愛媛県での特別研修。
人が育たない、そして、中途半端は教育を受けた人が、職場を壊していくことがとても多いと感じますし、そういったまだ「未熟」な人が、排泄介助を「うんこ処理」などと揶揄し、「底辺職だ!」とネットで発信し、それを見た人が「やっぱり介護ってね、、、。」と思う。負のループ。
是非、全国でマサさんの熱い講義を受けて、良い人財が広がることを願っています。
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