世間では今日からGW後半と言われている。・・・というか前半はいつもの週末と変わらなかったのだから、今日からが本当のGWではないかと思ったりしている。
もしかしたら今週の月と火に有休をとって、次の日曜まで9連休という羨ましい人も居るのかもしれない。その人らにとっては、先週末からがGWと言えるのだろう。
そうでなくとも暦通りに休める人は今日から5連休である。そういう人たちは、この機会に十分英気を養ってもらいたい。
しかし介護事業者で働くシフト勤務者は、世間の暦とは関係なく今日も仕事という人が多いだろう。それは辛いことではあろうと思うが、同時にそのことが日本社会を支えているのだという矜持をもって頑張ってほしい。
皆さんのおかげで、幸せに暮らすことができる人がいるという事実を誇りに思ってほしい。

それにしても世の中の人手不足は深刻である。それは介護業界に限ったことではない。
3年ぶりに制限のないGWで、行楽地にはたくさんの人出がありにぎわっているが、それを迎える飲食店等の人手不足が目立っている。せっかく客がいるのに、従業員の数が揃わずに入場制限している店があったり、営業時間を短くして何とか対応している店もある。
それはまだましな方で、人手が足りずに店を開けられないという声も聞こえてくる。
登別温泉も例外ではない。3年ぶりにインバウンド需要が戻り、外国人客をはじめとして数多くの観光客が温泉街を訪れて、GW期間中はホテルの予約もいっぱいだそうである。・・・が、しかしコロナ禍で休業中に従業員が退職したホテルや旅館では、人手が足りないところが多く、部屋をすべて埋める予約を受け付けないところもある。
そのため、「満員御礼」とはいっても、その実態が空き室ありの状態であったりするのである。
これらの業界では人を集めるために賃上げを余儀なくされている。その原資は、価格転嫁によって得ている。昨年来、世は物価高なので、国民に価格上昇の免疫ができつつあり、飲食代金や宿泊料を上げることにも、「やむなし」の空気がある。その為、賃上げ分を価格転嫁しやすい背景もある。
これらの状況は、介護業界にも大きな影響を及ぼしている。コロナ禍で他業種から介護業界に転職した人の一部が、既に元職に復帰する動きもみられる。
その一因は、介護サービス費という公費を収益の基本とする介護事業は、賃上げ分を価格転嫁することはできない中で、物価高に応ずる介護報酬の改定がされていないということにより、他業種のように賃上げがままならないことにある。
現に様々な調査で、春闘後の介護事業者の賃上げ状況は、他産業平均の1/3にとどまっているというデータが示されている。
そうであるがゆえに、来年の報酬改定時に思い切った賃上げができるような報酬増を求めるアクションを起こしていかねばならない。
同時に職場環境を見直して、介護事業者で働き続ける意欲と動機づけを高めるために必要なことを探し続ける必要がある。
この状況でも人材が集まり定着している介護事業者があるという事実を把握し、そこと人材が集まらず、退職者も多い事業者の違いは何かを徹底的に検証しなければならない。
そこは知恵をかけるだけではなく、お金もかけなければならない部分だ。
残念なことに一部の介護事業者では、人が集まらない対策を、記録改ざんで配置状況をごまかしているようなところもある。
先日も、カリスマ経営者がいて優良事業者と思われていた道内の事業者に転職した仲間が、その職場では表の顔の裏で、配置されていない人間を記録上配置しているように装うという不正を行っていることを知り、かつその不正に手を貸すことを強要されたことに憤って退職を決意したケースにも遭遇した。・・・そんな小手先のごまかしの職場からは、貴重な人材が逃げていく。
全産業・全職種で人が足りなくなっている時代だからこそ、人の暮らしに深く介入するにふさわしい人材を選りすぐって育てることができる職場環境を目指す必要があるのだ。
そのことを決して忘れてはならない。
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