僕は今自家用車で、札幌に向かっている途中だ。

今日午後1時30分から配信するオンライン講演の動画撮影会場である、札幌市西区発寒の「つなぐ手ケアマネセンター」を目指しているところだ。

家を出るのが遅くなり今日は高速道路で札幌に向かっている。ルートを示すと登別〜会場までは、白老〜苫小牧〜千歳〜恵庭〜北広島を通って札幌に着くことになる。

先ほど途中の輪厚インター少し早めのお昼として辛味噌ホルモンラーメンを食べた。

そのついでにこの記事を更新しているところだ。

今週初めの月曜日の更新記事、「終末期ケアマネジメントはケアマネ必見(無料配信)」でお知らせしたとおり、今日の講演タイトルは終末期ケアであり、ケアマネジャーに求められるターミナルケアマネジメントのあり方を主要なテーマとしている。
水車
終末期ケアターミナルケアマネジメントの問題は、我が国が既に多死社会に突入しているという側面からも考える必要がある。

我が国の2022年の死者数は158万2023人となり、前年比で12万9744人増えて戦後最多となっている。

こうした情勢の中で医療機関のベッド数は増えていないのだから、病院で死の瞬間を迎える人は減っているし、今後も減り続けるわけである。

昨年、死者数が増えている要因の一つには、新型コロナウイルス感染症による死亡者が増えていることが挙げられるが、同時に老衰死が増えていることを理解せねばならない。

老衰とは、言い換えれば寿命なのである。高齢者の自然死ともいえるものだ。後期高齢者の数は今後も20年程度は増え続けるのだから、老衰死も同じ期間は増え続ける考えられている。

コロナ禍が収まったとしても、それは変わらないわけである。

だからこそ、死ぬためだけに医療機関に入院しなくてよい地域社会を創ることは大事であり、最期に住んでいる場所を人生の最終ステージを生きる場所にすることが大事になる。

それ以前に、人生の最終段階でどのような場所で生き、どんな医療や介護を受けたいのかを確認する、「人生会議」がより重要になるのである。

そのため施設ケアマネであっても、居宅ケアマネであっても、両者とも判断能力のある利用者のケアプラン作成担当者となっているケアマネは、できるだけ早期に信頼関係を築いて、人生会議の開催支援を行いながら、利用者の終末期の希望を確認しておく必要がある。

判断能力が低下あるいは欠如している利用者については、家族を交えて人生会議を開催し、利用者の意思を推定する試みを早期に行う必要があるわけである。そこで確認した利用者の意志の代弁者となるのがケアマネジャーの役割であるともいえる。そのことは前2回のオープンセミナーでお話ししたところだ。

今回の講演では、その後に必要とされるケアマネの役割にも触れる予定だ。

施設サービスであれば、そこで確認した利用者意思に沿った支援ができるように、自らの所属施設のサービスの方法論を最適化するための旗振り役としての機能が、施設ケアマネに求められてくる。

一方で居宅ケアマネの場合は、自分の所属法人以外の外部のサービスも組み込んだプランを立てなければならない。

その為居宅ケアマネジャーが得ておきたい社会資源として、信頼して終末期を任せることができる居宅サービス事業所と利用者の終末期に対応可能なターミナル専門医(※在宅療養支援診療所)があるということにも触れる予定だ。

さてここで一つ指摘しておきたいことがある。

ターミナルケアマネジメントは、あらゆる状態像の人に必要とされるものである。特に前述したように、老衰死が増えてくる日本社会では、老衰死に対するターミナルケアマネジメントが必要になる。

施設サービスの場合、それは看取り介護加算として評価されることになるが、居宅介護支援の場合は、ターミナルケアマネジメントを評価するものはターミナルケアマネジメント加算しかない。

ところがこの加算は、末期がんの方に対するターミナルケアの場合しか対象になっていない。在宅看取り介護が増えてきて、それに対応するマネジメントも重要となっているのに、その加算評価が末期がん患者に限定されているのは大きな矛盾である。

この矛盾解消のソーシャルアクションが必要である。

居宅ケアマネをはじめとした関係者は、居宅介護支援におけるターミナルケアマネジメント加算について、すべてのターミナルケアの対象者に算定できるようにルール変更を求めるアクションを起こしてほしい。

老衰という自然死のターミナルケアマネジメントに対する対価を、きちんと得られるようにすることが、その仕事に報いることに繋がるというものである。

なお今日のオンライン講演は、事前申し込みなしに誰でも無料で視聴できるので、視聴希望者は下記のバーコードをカメラで読み取るか、IDとパスワードを入力するかして、13:30から入室してほしい。(講演は14時から90分です)
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