介護事業者が組織としてSNSを運営することが当たり前の世の中になった。

そこでは利用者の方々が介護サービスを利用している様子がアップされていたりする。

同時に介護事業者に勤める従業員が、個人のSNSで職場の様子を画像アップすることもある。

そうであるがゆえに、事業者としてのSNSの管理に気を配る必要がある。このことに関しては、新年度に数多く入職してくる新入社員に対し、入社式などで厳重に注意を促してほしい。

特に気を付けてほしいのは、利用者が特定できる画像の取り扱いである。
SNSの使い方に注意を
職場が運営するSNSであろうと、個人のSNSであろうと、利用者の顔や姿を勝手にアップすることは許されない。

必ず利用者自身の同意を得た画像でない限り、ネット上にアップすることはできないことを知らない人はいないだろう。

しかしSNSに利用者が特定できる画像をアップすることについて、利用者同意を得ているから問題がないかと言えば、必ずしもそうとは言えない。利用者同意があって画像をアップしたのに、そのことが後々トラブルに発展し、損害賠償責任を免れなくなるという笑えないケースもあるので注意が必要だ。

特に個人のSNSであれば利用者の同意を得て画像をアップしても、それが即ち不適切行為だとされることがある。なぜなら介護事業者の従業員と利用者との関係は、職業を通しての関係であって個人的な関係ではない。個人的な場所であるSNSに、職業としてサービスを提供している利用者画像をアップすることは、同意の有無にかかわらず、守秘義務等の関連から許されないという考え方もある。

そのため職場のルールとして、個人のSNSに利用者画像をアップしてはならないとしている組織も少なくない。そのようなルールは過剰ルールとは言えず、労務管理上認められる制限ルールであると考えられている。

一方で利用者情報がSNSに流出することを恐れて、個人のSNS利用を認めないなどの制限は、社会通念上許されるものではない。従業員がSNSを利用すること自体は、職場の管理が及ばない個人の権利であるのだから、それを制限することは過剰な制限として認められないからである。

介護事業経営者や管理職は、まずこの区別をしっかり頭に叩き込まなければならない。

同時に事業者SNSに、利用者同意を得て利用者の姿をアップした際にも、すべて適切とは言えないことを知ってほしい。

それは同意能力の問題が問われるということだ。

僕の知るケースでは次のようなトラブルがあった。

ある特養で、認知症の方の写真を撮影し、本人にその画像を見せて、「ファイスブックに載せても良いですか?」と尋ねたところ、「いいよ」と言われたので、同意があったものとして画像をアップしたところ、そのファイスブックを見た家族から抗議を受けたケースがある。

家族の抗議内容とは、親せきや知人に親が特養に入所したことを知らせていないので、そのような画像アップは困るというものであった。

このケースは、謝罪と画像を削除することで事なきを得たが、場合によっては精神的苦痛を受けたと主張する相手に、損害賠償責任を生じかねないので注意が必要だ。

理解力と同意能力に問題がある人から、「良いですか」〜「はい」という口頭のやり取りだけで同意を得たとするのは、一般的な契約同意としては認められないことを理解してほしい。

すると、施設入所契約・サービス利用契約等において、介護サービス事業者と利用者間で直接契約を結んでおらず、家族等も共に同意する形の、「第3者同意契約」を取っている方は、SNSアップ等も全て、第3者同意の形を取らねば同意とは言えないと理解しておくべきだ。

ここをあやふやにしておくと後々痛い目をこうむることになる。

さすれば行事等の参加者複数を撮影して、その画像をSNSにアップすることは、簡単に行うことができる行為ではないことも理解できるだろう。

SNSにアップする利用者画像は、ぼやかして個人が特定できない形にしておいた方が、安全であることは間違いがない。
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