ここ最近、「介護事業におけるハラスメント対策」をテーマにした講演依頼が増えている。
その理由は、2021年の基準改正ですべての介護事業者に職場内のハラスメント対策が義務付けられたからだろうと思う。
そしてそのテーマの講演依頼が、僕に舞い込むという意味は、僕が社会福祉法人の総合施設長であった当時から、この問題に取り組んで実績を挙げていることを知る方が多いからだと思う。
もともと介護事業者の職場内ハラスメントが問題になってきたのは、介護保険制度が施行された2000年頃からである。
1999年に旧厚生省が、職場のストレスがメンタルヘルス不調の原因となることを認めたということに関連して、職場のストレスの一つに、「ハラスメント」が挙げられたことから、その予防対策が介護事業者でも大きな問題になった。
僕が社福・特養の相談室長から施設長に就任したのは2002年・42歳の時である。ちょうどその時期は、職場内セクハラは事業者責任として防止に努めなければならないという機運が大いに盛り上がってきた時期だった。
そこで問題となっていたことは、職場内でのハラスメントとは何ぞやという根本的な問題である。
パワハラとモラハラの区別さえ十分な認識がなかった当時、上司が何か指導すればすなわちそれがハラスメントであると非難される傾向があった。
男性上司が、女性部下に職務上必要な注意をするだけで、「セクハラ」と非難され、十分な教育指導ができかねる雰囲気も漂いつつあったように記憶している。
僕はその状況はおかしいと考えた。きちんと教育指導とセクハラの違いを従業員に理解してもらわないと、せっかく僕が舵を取ろうとしている特養のサービスの品質保持にも支障が来すと思った。
その為、知り合いの弁護士等の知恵と力を借りながら、自分自身でハラスメントの勉強をし、ハラスメントの定義をきちんと理解したうえで、ハラスメントにならない教育的指導の在り方を法人内に知らしめる努力をした。
その過程で、「教育指導という場面では、部下の成長を期待して、良い方向に導くための叱る行為は、必要不可欠な場合がある」・「感情的に怒ることしかできない人は指導者に向かないが、ハラスメントと非難されることを恐れて、部下を叱ることができない人も、指導者としての適性がない」と確信した。(参照:教育的指導とハラスメントはどう線引きすればよいのか)
このようにして僕は法人内で、「職場内ハラスメントとは何ぞや」という定義づけを行い、正しい教育指導の在り方とハラスメントを区分したうえで、職員にそのことを周知した。
ハラスメント対策をしっかり取ったうえで、職員育成の教育システムも機能するような体制作りをしたのである。
このようにハラスメントの予防対策を取りながら、かつしっかりとした職員教育システムも創り上げた法人のトップとしての評価が、ハラスメント防止講演の講師依頼に結びついているのだろう。
だからその経験をわかりやすく伝え、実務に生かすことができる講演を行うように努めている。
同時に2021年基準改正では、ハラスメント対策の中に、「カスタマーハラスメント対策」を含めることも義務付けられているので、僕が今まで顧客からの理不尽なクレームから、自法人の従業員を護るために、防波堤役として行ってきたことも紹介している。
ハラスメント対策が機能する環境で、職員の育成につながる教育システムも機能している場所では、サービスの品質が担保されるし職場環境も良くなる。そのため職員の定着率も高くなるのである。
そういう意味で、ハラスメント予防に関する研修は重要になるのである。
近直では3月16日(木)に大阪市で、「介護事業におけるハラスメント対策と従業員のメンタルヘルスケア」というテーマの講演を予定している。
こうしたテーマで、なおかつ介護事業者の実務に生かせる講演講師をお探しの方は、是非一度相談していただければ幸いである。連絡方法は、「北海道介護福祉道場あかい花」の公式サイト上の方に記載してあるので、確認していただきたい。
まずはお気軽に相談メールを送ってくださればと思う。
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