年度末の3月に入り、何かとあわただしい日々を送っている人が多いだろう。

介護事業の決算処理はまだ先になるが、この時期は何より新年度に向けた準備に忙しく立ち回る時期である。

その準備になかには、新たな事業計画作りも含まれてくるし、何より大事なのは新年度に入職してくる職員の受け入れ体制づくりである。

教育訓練を含めた受け入れ体制が整備されていない事業者では、職員の定着率は低下することが証明されている。介護人材不足が叫ばれる折、縁あって募集に応募して採用まで結びついた人材が、短期間で離職してしまうことは大損失である。そうしないための対策はされているだろうか・・・。

特に毎年せっかく入職した人材が、短期間で辞めてしまうことが繰り返されている介護事業者は、その根本原因を探って改革を急がねばならない。そうしないことには、いつまでも介護職員の定着率は向上せず、そのことがいずれ事業を継続することを困難にする最大のバリアになりかねないからだ。
冬の支笏湖
介護福祉士養成校の卒業生も4月に大勢介護事業者に入職してくるが、養成校で学んでいる学生は、「介護の仕事は、人に役立つ仕事だ」という思いで入学し、学んでいた学生である。

そのような卒業生は2年間の学生生活で、いろいろな悩みを抱き、壁にぶつあたりながら、介護福祉士として人の役に立ちたいという思いを捨てずに頑張り続けた人たちである。

そうして巣立っていった卒業生が、入職して間もない時期に、「介護の仕事が人の役に立つなんて言うのは嘘だった」と言ってやめてしまうケースがある。しかも毎年、決して少ないとは言えない人数の卒業生が、同じような理由で短期間で介護業界から去っていく。

それはなぜか・・・。OJTと称された、先輩の尻に金魚の糞のようについて歩かされる業務指導の中で、指導者たる先輩職員が、介護サービス利用者を教材のように扱い、人として接している様子が見えないだとか、機械的対応に終始して温かみが感じられないだとか、利用者を物のように扱って冷たい態度で傷つけているといった理由で、毎年数多くの介護福祉士が辞めているのである。

このことは介護業界全体の大損失だと僕は思うのである。

しかしその一方で、定着率が高く、学生にも人気がある介護事業者がある。そうした職場は、介護職のリーダーがきちんと利用者に対して丁寧な接遇を行い、部下である介護職員に日常的に接遇指導をしている。

そのような職場に運よく就職できた卒業生は、生き生きとした表情で働き続けている。介護という職業を通じて、人の役に立つ人間になろうという熱い思いを捨てずに、自分がもっと人に役立つ介護職になりたいとスキルアップの動機づけも持ち続けている。

そういう意味では、サービスマナー意識の浸透度合いが、人を育て人を定着させる職場環境につながると言っても過言ではない。利用者に対する接遇の向上と、介護職員の定着率の向上はリンクしてくるのだ。

だからこそ今この時期に、サービスマナー研修を徹底したい。利用者の尊厳を護ることを建前にせず本音にする職員教育を行うことが不可欠だ。

対人援助のプロとして求められる人権意識を確立するためには、「家庭的で親しみやすい介護」などと言いながら、マナーのない無礼なタメ口対応を許すような体質を残さないようにすることは最も重要である。

人事評価には、そうした視点を入れなければならない。それが真に求められる労務管理だ。

介護事業者におけるサービスマナー意識を浸透させ、接客から接遇への意識改革ができるサービスマナー講演を希望される方は、是非メール等でご一報願いたい。

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