昨日から僕は愛媛県松山市に滞在し、ホテルの一室でこの記事を更新している。

今日はこの後、愛媛県社会福祉会館で行われる、「愛媛県老人福祉施設協議会・総会」の中で講演を行う予定になっている。講演テーマは、「介護保険制度改正から考える今後の介護事業経営への影響と対策」である。

この総会での講演は3年ぶりだ。それまでは3年続けて総会にご招待を受け、様々なテーマで講演を行っていたが、コロナ禍で総会自体ができなくなっていた。今年その場が復活したことを心から喜んでいる。

さて今回お話しする制度改正に関しては、過去以上に問題となっている介護人材不足対策についても触れる予定だ。

必要とされる人材確保が困難となっている現状から、国は介護の生産性向上をテーマにして、介護DXなどを図って、今までと同じ人数をかけない介護人手を減らしても同じ結果を生み出すことができる介護の実現を目指している。

それが本当に可能なのかは不透明で不確実な部分が多すぎるといえる。しかし要介護高齢者の数が増え続けるのに、生産年齢人口が減って、全産業で人手が不足する中で、介護人材だけが必要数を確保することは不可能なことは確実なのだから、今と同じことをしていては業務が回らなくなることはわかりきっている。

そういう意味で、現行の介護業務の見直しと改革は必要不可欠である。
しだれ梅
例えば仮に僕が今、特養の施設長に復帰するとしたら、絶対に行おうと思う業務改善策がある。

それは夜間の看護職員のオンコール対応の改革である。この部分をアウトソーシングして、看護職員の夜間待機をしなくてよくしようと思う。

看護職員が夜勤を行っている特養では、オンコール対応の必要性はないが、特養で看護職員の夜勤体制を敷いているところは、全体の1割にも満たない。つまり9割以上の特養が、夜間看護職員のオンコール体制を敷いて対応しているということになる。

しかしこのオンコール・・・様々なトラブルのもとになり、オンコール待機している看護職員、オンコールで連絡する夜勤者(介護職員)双方にストレスがかかる結果となりやすい。それによってバーンアウトする職員も生まれてくるのだ。

そのことについては、「夜間オンコールのアウトソーシングを考える」で詳しく解説しているので、そちらを参照してほしい。

この体制をアウトソーシングするだけで、夜勤者(介護職員)は遠慮なく、細かいことでもオンコール看護職員に尋ねることができ、アドバイス受けることができる。

また施設看護職員が対応しなければならない事柄が生じたと判断されれば、コールセンターで夜間連絡を受ける看護職員から、施設看護職員へ直接連絡することになるので、夜勤者のストレスは大幅に削減できる。

またオンコール待機する必要のない看護職の精神的負担も大きく減ることになる。

こうした考え方を示したうえで、夜間介護業務の負担軽減につながる福祉用具・介護用品にも触れて、各施設・事業所独自の方法で可能な限りの業務改善に努めることを促す予定である。

なぜならこの部分については、国として何ら具体的な対策・対応がされていないし、今後もする気がなさそうだからである。

そんなふうにして、実質的に介護人材対策は介護事業者に丸投げされていることを理解せねばならない。
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