2/1に公表された令和4年度介護事業経営概況調査結果では、居宅介護支援の利益率は2020年度が2.5%、昨年度が4.0%と、現在の調査方法に変わってから初のプラスとなったことが明らかになった。

これは喜ばしいことである反面、2024年の介護報酬改定では、この結果が足かせになりかねないという声もちらほら聴こえていた。収支改善したんだから、これ以上の居宅介護支援費のアップは必要ではないとして、居宅介護支援費の据え置きなどの負の影響があるのではないかということが懸念されたわけである。

しかしどうやらそう悲観する必要もなさそうである。
夜明け
16日に開催された『第19回医療介護総合確保促進会議』で厚労省は、介護支援専門員について、「人材確保の観点からも、働く環境の改善を進めていく必要がある」とし、具体策として待遇改善やテクノロジーを活かした業務の効率化などを明記した資料を提出したからである。

具体的には、ポスト 2025 年の医療・介護提供体制の姿(案)の7頁に以下のように記されている。
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ケアマネジメントの機能強化
○ 介護サービスの利用に当たっては、本人の自立を支援する適切なケアマネジメントが行われることが重要であることは言うまでもない。こうしたケアマネジメントが、個別ニーズに寄り添った柔軟かつ多様な介護を、医療はもとより、介護予防、住まい、生活支援などと連携して包括的に提供する地域包括ケアシステムの中で重要な役割を担うものである。
○ ケアマネジャーがこうした役割に即した適切なケアマネジメント機能を発揮できるよう、取り巻く課題について包括的な検討を行うことが重要である。その中で、適切なケアマネジメント手法の普及・定着、ケアプラン情報や LIFE(科学的介護情報システム)情報を含め介護情報の体系化、データベース化等によるケアマネジメントの質の向上等も進めていくほか、かかりつけ医機能を担う医療機関との連携、入退院から介護サービスの利用までを含めた総合的なケアマネジメントの推進を目指す必要がある。また、人材の確保の観点からも、ケアマネジャーの待遇改善、ICT 等を活用した業務効率化をはじめとした取組により、働く環境の改善を進めて行く必要がある。
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ここにはっきりと、「ケアマネジャーの待遇改善」が明記されている。

これにより、24年報酬改定でさらに居宅介護支援費のアップが図られる可能性が高まったと言えるのではないだろうか。

あるいは居宅ケアマネに対する処遇改善加算が新設されるのか・・・現行の3種類の処遇改善加算が統合・一本化されることになっているが、その際に居宅ケアマネも新処遇改善加算の対象となるなどの改革が行われる可能性もある。

どちらにしても、何らかの形で介護支援専門員の処遇改善が行われることは確実といえ、これは介護支援専門員として歓迎すべきことではないかと思う。

同時に介護支援専門員の方々には、今以上にケアマネジメントスキルのアップに努めることが求められることを指摘しておきたい。

厚労省内で、介護支援専門員の資格不要論なんて存在していない。それは紛れもない事実だ。

しかし必要不可欠である資格であるにもかかわらず、個人のスキル差が大きく、人の暮らしを支援するために最低限のケアマネジメントスキルが担保できていない介護支援専門員の存在がいつも問題視されるのも事実だ。

昨今はサ高住の囲い込みプランが特に問題視されている。サ高住に入居する条件として、サ高住併設の居宅介護支援事業所と契約することを強要し、そこの担当ケアマネが立案したプランでは、サ高住併設の訪問介護や通所介護のみを利用することを強いるなど、利用者不在の事業収益重視マネジメントが不適切の誹りを受けている。

そのためにケアプランチェックルールも厳しくなっていたりする。

そうしたことを踏まえたうえで、より適切なケアマネジメントを地域で展開し続けることが今まで以上に求めっらえることを肝に銘じてほしい。

そしてそのことが介護支援専門員という資格の社会的信頼を高め、処遇改善にもつながっていくことを理解してほしい。

そしてあらゆる機会を創って、自らのスキルアップに努めていただきたい。

ケアマネサポーターを自称する僕も、そのお手伝いをしたいと思う。とりあえず明後日は、静岡県介護支援専門員協会の皆さんに向けて、自宅からオンライン講演を配信するので、そこでエールを送りたい。
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