全国の介護事業者及び各種団体から講演依頼が舞い込むが、その中でもかなり長期間連続して途切れることなく講演依頼の多いテーマが、「看取り介護」である。

特にここ数年そのニーズが増えている理由は、多死社会に入った我が国において、看取り難民の大量発生が懸念されることから、介護施設だけではなく居住系施設・あるいは小規模多機能型居宅介護などのように、地域密着型サービスや居宅サービスの類型とされている場所でも看取り介護の実践が求められているからだ。

この講演テーマを話し始めた時期は、特養の介護報酬に看取り介護加算が新設された2006年頃からだから、かれこれ17年以上そのテーマで話し続けていることになる。

そんなふうに僕が看取り介護講演を依頼される最も大きな理由は、僕が総合施設長を務めていた特養で、全国に先駆けて先進的な看取り介護を行っていると思われたからに違いない。

そしてそう思われるきっかけになったのは、2006年に看取り介護加算が新設された際に要件とされた、「看取り介護指針」をどこの誰よりも先に僕が策定し、僕の所属施設でその指針をもとにした看取り介護を行い、その実践内容をブログ記事として発信していたからに他ならない。

そんなふうに介護業界全体から注目を集める施設実践を行っていたことから、看取り介護の品質には徹底的にこだわってきた。単に加算を算定できる方法論ではなく、一人の人間がその人生の最終ステージを安心して過ごし、この世に生まれてよかったと思うことができる支援を心掛けてきた。

そのような実践方法を学びたいという人が全国各地におり、そうした人々に介護の場で実践できるフィクションの存在しない看取り介護を伝え続けている。

そうした場には、当然のことながら介護実践者としての看護・介護職員をはじめ、看取り介護のPDCAサイクルづくりのリーダーであり、かつ利用者の代弁者として人生会議に欠かせないメンバーでもある相談援助職(ケアマネを含む)の方々が数多く受講してくださっている。

しかし看取り介護の実践の旗振り役で、その品質を保持するために一番高い木の上に立つ施設長や管理職の皆様が、本物の看取り介護とは何たるかを知らなければ、本当の意味での品質保持は困難となる。

さらに言えば、昨今の状況から考えると看取り介護の実践とは介護事業の経営を安定化させる重要アイテムとなっているのである。このことは介護事業経営を考えるうえで非常に重要なことだ。

それを理解してほしいと思い、このたび高齢者住宅新聞社さんから依頼された、「オンライン 介護経営サミット」の中で、「これからの介護事業経営を支える看取り介護の実践〜今 “看取り介護”に取り組むべき理由とは〜」というテーマの講演を配信することとした。
介護経営サミット (オンラインセミナー)
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2006年の特養介護報酬への看取り介護加算新設以来、特定施設やGHでも看取り介護加算は算定できるようになった。さらに在宅復帰施設(中間施設)である老健施設でもターミナルケア加算が算定できるようになり、居宅サービスにも看取り介護・ターミナルケアに関する加算は拡充され続けている。

この流れは今後も引き継がれ、看取り介護・ターミナルケアの評価は高まることはあっても、軽視されるようなことは考えにくい。

しかし看取り介護の介護事業経営に与える影響とは、介護報酬が手厚くされるという意味ではない。

看取り介護加算・ターミナルケア加算は、所詮、一人一回きりの算定しかできないものでしかない。それをくまなく算定したとしても、介護事業経営が安定するような大きな収益にはつながらない。

それよりも大きなことは、本物の看取り介護の実践は、地域住民だけではなく、有能な介護人材からも選ばれる介護事業者に繋がるということだ。

特に人材不足が事業経営危機に直結しかねない昨今の状況から言えば、志の高い介護人材からの募集応募が増え、定着率高まる効果に繋がるとなれば、看取り介護の実践は無視できないどころか、大いに実践すべきことと言える。

ただしそれは前述したように、「本物の看取り介護実践」である。

逆に言えば看取り介護と称する偽物の介護実践が行われている場からは、有能な人材がバーンアウトし、地域住民からもそっぽを向かれてしまうのである。

そのことをわかりやすく伝える予定なので、今から来週の木曜日(2/9)15:55〜予定を1時間あけておいて、申込フォームをクリックして事前申し込みをしていただきたい。

介護事業経営者や管理職の方々は、聞き逃しのないようにお願いしたい。
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