今年も残すところあと2日となった。明日の大晦日は土曜日ということもあり、このブログの記事更新は休もうと思う。だから今年のブログ記事としては、今日が最後の記事更新である。

なお毎年元旦は、読者へのご挨拶もかねて記事更新しているので、日曜日の元旦の昼に2023年最初の記事更新をする予定だ。元旦の昼過ぎにまたお越しになってほしい。

さて今日は先日厚労省が公表した調査結果について考察することにしようと思う。

23日に公表された、「高齢者虐待の状況を把握する調査の最新(2021年度)の結果」によると、昨年度に虐待と判断されたのは739件で過去最多を更新している。

この結果について厚労省は、「介護現場で虐待防止の意識が高まっていることが一因」として、虐待件数が増えているというよりも、虐待が隠されずに通報されて、表立つケースが増えているという認識を示している。

しかし毎月のようにネットにアップされている介護事業者での虐待報道を見ると、その件数も毎年増え続けているのではないかと感じざるを得ない。

しかも虐待の程度は悪質化の一途を辿っているように思える。例えば介護業務の最中に、自らの怒りや欲望にまかせて利用者を殺害するという凶悪事件も起きている。
年末の雪
今年9月に東京都北区浮間の特別養護老人ホーム「浮間こひつじ園」で起こった殺人事件は、夜勤中の介護職員による、92歳の利用者に対する暴行殺人事件だった。

その約1月後には、福島県小野町の特別養護老人ホーム「つつじの里」に入所していた女性(94)が、勤務中の介護福祉士からら執拗な暴行を受け、腹部や胸部の内出血によるショックによって死亡させられた事件も起きている。

それ以外にも介護事業者における職員による信じがたい虐待致死事件は、枚挙にいとまがないほどである。

そうした虐待数の増加、虐待の程度が悪質化している原因について、コロナ禍のなかでの感染防止対策などで介護職員等のストレスが増加していることを指摘する声が挙がっている。

馬鹿なことを云うなと言いたい。コロナ禍の制限でストレスを感じているのは、職員ではなく利用者である。面会も外出も制限さえ続けている利用者は、どこにも逃げ場がない状態で、ストレスを発散できないでいるのだ。

職員も感染リスクにさらされているとはいえ、プライベートな空間や時間は、自由を満喫できる。そういう逃げ場もあるのだ。

そもそも仕事のストレスなんて、どんな職業にも存在するものだ。そして対人援助という仕事の中でストレスを感じたとして、それを心身の障害を持つ人を虐待するという方法でしか解消できない人が居るとしたら、それはストレス云々という前に、人と相対する職業に就くスキルがないという問題でしかない。

介護人材不足の中で、人の見極めをしないまま、募集に応募した人を闇雲に採用して、教育もろくに行われていない介護事業経営主体が多いという問題であると思う。

同時に人材ともいえない人員合わせをせざるを得ない介護事業者が多いという社会問題に、もっと鋭く切り込んでいかねばならない問題でもある。

そんな状況の中で高齢者を幼児扱したり、礼儀のない態度や言葉遣いが家庭的と勘違いする職員が大量発生している。そのような介護事業者では志の高い職員を、「浮いた職員」のごとく排除して、無法地帯が創られているのである。

そうした形で虐待の数は増え、程度も悪質化しているのではないのだろうか。

私たちはそうした状況にどう向かい合っていくべきなのだろうか・・・。

世界の潮流から外れて、死刑制度を維持してもなおかつ凶悪犯罪がなくならないように、どんなに教育を尽くしても、この国の虐待事案も皆無となることはないのだろう。

せめて介護事業者という、介護を職業とするプロ集団だけは、虐待と無縁のものにしようとしても、それも決して実現しないのだろう。

だからと言ってそのことを無力と嘆くだけで終わってはならない。すべてをあきらめて放り出してしまってはならないのだ。

私たちのできることには限りがあるけれど、できることも少なくない。

自らの手が届く場所では虐待を絶対に発生させないように、虐待と無縁の誇りある介護実践を展開していくことも、私たちができることの一つだ。

そうした日々の実践を地道に積み重ねて、それに賛同する仲間とつながりあって、その輪を広げていくこと・・・そのことで、きっと何かが良い方向に変わっていくのではないかと信じている。

そんな活動を今まで続けてきたし、新しく訪れる2023年以降も続けていこうと思う。

その思いに賛同する方だけが、このブログにつなげてほしいと思っている。
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