非課税法人である社会福祉法人に対する批判として、最も多く指摘されている点が、「同族経営」と「事業零細」である。

どういうことかと言えば、一族で経営権を独裁する個人商店的な社会福祉法人が、行政事務の受託的な業務だけを行って、公費や介護保険料を財源とした費用を受け取っているだけで大きな利益を得ているのも関わらず、収益を溜め込んで社会に還元しない姿勢が問題視されているのである。

数ある社福法人の中に、そんな法人があることも事実であり、その批判をきちんと受け止める必要がある。そうならないように社会貢献にもきちんと努めていく意識を持たねばならない。

そういう意味で、「道内の社福が行っていた問題に関する嫌なニュース」で糾弾した社会福祉法人の理事長には、社会貢献とは何ぞやと問いたいと思う。

それにしても社会福祉法人の理事長に、器の小さい人間が多すぎると思う。

同族経営している2代目・3代目の理事長がぼんくらで、経営能力がないだけではなく、社会の公器を預かっているという責任感に乏しい人間があまりにも多いと思う。

例えば、「西興部村虐待特養施設長の言い訳に見る問題の本質」という記事で論評した事件を起こした社会福祉法人「にしおこっぺ福祉会」。

施設長という人物のスキルにも大いに疑問符が付くが、それにも増して疑問なのが、なぜこの法人の斎藤理事長が責任を取らないのかということだ。

村内の二つの施設で、複数の職員が悪質な虐待を繰り返していながら、虐待を行った職員をそのまま勤めされておくという鈍感さもひどいが、自らその責任を取って辞職する姿勢が見えないのはなぜだろうかと思う。

言うまでもなく社法人のトップは理事長である。その法人内で職員が事件を起こした管理責任を取らねばならない立場だ。しかも今回は利用者の尊厳を著しく気づつけるという虐待行為を、信じられないくらい多くの職員が日常的に行っており、理事長の責任は免れず、その罪は万死に値すると言っても過言ではない。

即刻辞職したうえで、後進に法人改革を任せるべきである。
波濤
ところで僕が7年前まで勤めていた社福法人も今年不祥事事件を引き起こしてる。

先の国政選挙の際に、施設長と事務員が不在者投票で不正を行い罰金刑に処されている。その件について同法人の公式サイトでは、「職員の不祥事に関するご報告とお詫び」という文章を掲載している。

しかしこれもとかげの尻尾切りとしか思えない。国政選挙の支持候補なんて、社福法人の雇われ施設長が勝手に決められる問題ではないからだ。それは母体法人を含めたグループ全体で取り仕切る問題で、そのグループのトップでもある、社会福祉法人・登別千寿会の千葉泰二理事長(特定医療法人・三愛病院、理事長・院長)が最高責任者である。

罰金刑に処され、法人からけん責処分を受けた施設長は、僕が同法人の総合施設長を務めていた当時、老健施設の事務長を務めていた人物である。その人は僕のように理事長に逆らったり、意見を言えたりする人物ではない。

むしろ究極のイエスマンとして、そこまでのし上がってきた人であるから、彼が単独判断で公選法違反に問われるような行為を行ったとはとても思えないのである。明確な指示がなかったとしても、何らかの忖度が働いたのではないかと想像している。

どちらにしても自法人の施設長と事務担当部門のトップが罰金刑に処されるような不祥事を起こしたのにもかかわらず、その法人トップである千葉理事長が、何も責任を取っていないのは、無責任にもほどがあると言いたい。

僕が退職した後、理事長は特養の一室を改装して理事長室を設けたそうである。そんな無駄金を使ってまで、自分の部屋を創ったのだから、特養の運営には目を光らせていたはずである。その責任を取れと言いたい。

非課税という恩恵を受けたうえで事業経営をさせてもらっているのだから、その事業において利用者を物のように扱って、人の心や身体を傷つけたとしたら誰よりもその責任を重く受け止めて、きちんとした責任を取らねばならない。利用者や家族の信頼を失うような行為も同様に責任を取る必要がある。

選挙権という個人の権利をないがしろにするような不正につても、もっと重大な問題と捉え、トップが率先して責任を負わねばならない。

しかしそうしない社会福祉法人のトップが多くて情けなくなる。口出しはするが、責任は取らないのでは、従業員を護ることなんて念頭に置いていないことは明白だ。そんな法人に勤めていても未来はないと思う。

このところ社会福祉法人の不祥事が相次いでいる元凶は、理事長が責任を取らずに逃げて許されるケースがあまりにも多すぎるからではないのだろうか。
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