今年5月から6月に職員が入所者を全裸で長時間放置したり、羽交い絞めにするなどの虐待をしていたことが明らかになった北海道西興部村の障がい者施設を運営する社会福祉法人「にしおこっぺ福祉会」。

その法人が同じ西興部村で運営する村唯一の特養でも虐待行為が行われていたことが明らかになった。
虐待が行われたにしおこっぺ興楽園
その内容をネット配信記事から一部転載させていただく。
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HTB北海道ニュース - 12/13・ 18:59ネット配信記事より
去年3月、西興部村にある『にしおこっぺ興楽園』で、職員が入所者80人全員の裸や下着姿の写真を撮影していた問題。その写真は少なくとも160枚以上ありました。いったいなぜ、裸の写真などを撮影していたのか。施設側が取材に応じました。

にしおこっぺ興楽園 松岡晃司施設長:「何かあった時に画像を引っ張り出して、前日はけががなかったとか、そういう画像を撮ろうということだったんですけれども。」

すでに退職した前の施設長らが、入所者のけがが見つかった際に、いつできたか確認するため、写真を撮ることを決めたということです。しかし、その指示が他の職員に正しく伝わっていなかったと、施設側は説明します。

にしおこっぺ興楽園 松岡晃司施設長:「打ち合わせの時にちゃんとしたミーティングをしなかったものですから、画像の撮り方も、手とか足ではなくて全身の画像を撮ってしまった。職員の中でこれはダメでしょうという意見もあったんですけれど、それが上に行かなかった。」

この虐待があった翌日、村に問題を指摘する情報提供があり、写真はすぐに消去されました。道はこの施設に対し今年5月に是正勧告をしています。(転載ここまで
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この特養の虐待については、様々なメディアから報道されているので、事実関係については既に把握している関係者が多いことだろう。

上に転載した記事については、当該虐待施設の施設長が、虐待行為についてコメントした内容が詳しく報道されている。そこに注目していただきたい。

本件の虐待事案となった写真撮影については、「直前に入所者が骨折する事案があり、毎日のボディーチェックでは気付かなかったため、現状確認の目的で記録に残した」とその理由が明らかにされている。

それに対して松岡晃司施設長は、「手とか足ではなくて全身の画像を撮ってしまった。」と言い訳している。

僕にはこのコメントは当事者意識に欠ける責任感のないコメントに思えてならない。

事件当時の施設長は、すでに退職しているそうであるが、現施設長としての責任感があまりにも薄いような気がする・・・この法人の危機管理意識の低さを垣間見る思いだ。

松岡施設長のコメントから垣間見えるのは、入所者のけがを見つけるためには、事前にけがのない体の状態の手足を撮影しておく必要があるのだということだ。そして全身ではなく、手足を撮影して、画像を保管しておく必要はあるし、それは不適切な行為ではないという意味だ・・・そんなことはあり得るのだろうか。

全国のどこの特養で、そんな撮影をしているというのだ?

問題の本質はもっとほかのところにある。それは利用者の骨折という重大な事故に気が付かない従業員の鈍感さだ。

仮に意思疎通ができない人が骨折して自ら訴えられないとしても、骨折部位は腫れて、通常の状態とは思えないほどの著変が見られる。発熱もあるのが普通だ。何より意思疎通ができない人でも、痛みは感ずる・・・骨折の痛みとは、我慢できるような痛みではないので、表情やしぐさに必ず痛みの訴えは現れるはずだ。

そんな状態に気が付かない場所で、手足の状態を撮影して何の対処になるというのだろうか。骨折対策として、けがのない状態の身体状況を撮影しなければならないと思うその知識の拙さ、常識のなさ、感覚麻痺こそ改善しなければならない問題ではないのか。

そういう意味で、そうした考えに及ばない現施設長のもとで、この施設の状況が改善できるか甚だ疑問である。

この法人は、「辞められたら運営が回らない」という理由で、虐待が発生した2施設ともに、虐待に関与した職員を現在も働かせている。人手が足りないことを理由に、職員募集に応募してきた人を闇雲に採用しているという状態も見られるそうだ。

しかし障がい者施設で虐待を行った職員6人のうちの一人は、今月10日に入所者が夕食の時間になっても部屋から出てこなかったため、「早く部屋から出てこい」と怒鳴るなどの行為を続けていた。そのため12日から在宅勤務を命じられているそうで継続調査中という。

結局、そんな職員をやめさせられないことで、職場環境は改善しないし、虐待はより密室化し深い闇となって残ってしまう。

そんな場所で職員教育もまとめにできていないのが実情だ。

例えばこの特養では年に一度、権利擁護や虐待防止の研修を行ってきたというが、アリバイ作りのための形だけの研修を行っても意味がない。「こうしなければなりません」という掛け声だけでは誰も何も変わらない。実務に即して何が不適切なのか、その不適切行為が何を生むのかを具体的に示す実践論しか伝わらないのである。

こんな特養で、意識が低い施設長が旗を振っている状態を考えると、今後この特養で状態が改善する見込みは薄い。虐待とは言えなくとも、身体の小さな変化を見逃す品質の悪いケアが続けられ、不適切ケアもそこかしこに存在することになるだろう。本件のほとぼりが冷めたころに、また虐待事案が発生しないとも限らない。

少しでも志のある人は、このような法人に就職しようとは思わないことだ。そんなことをすれば自らの人としての生きる道を失い、品性を汚すだけに終わりかねないからだ。

はからずも本日午後2時より、「リブドゥコーポレーション主催オンラインセミナー心の通うケアを目指して 禅埖塰瓢澆里燭瓩傍瓩瓩蕕譴觴己覚知」というオンライン講演を配信する予定になっている。
リブドゥコーポレーション主催オンラインセミナー
こうした実務に即し、実務に即取り入れられる本物の虐待防止セミナーを受講してほしいと思う。

ただ話を聴くだけの講演では、受講者の行動を変えることはできない。心に響き、やってみようという意欲が湧き、介護の仕事ってきちんと行うだけで、こんなに素晴らしい結果をもたらすんだということが理解できる研修を受講しなければ何も変わらないのである。

ということで本日の講演では、ここに紹介した虐待事案も含めて考察しながら、介護の場から虐待という行為を完全になくすための、本物の介護の在り方を伝えたいと思う。受講予定のみなさま、画面を通じてお愛しましょう。
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