北海道のコロナ禍第8波はピークダウンの様相を呈しつつあるが、全国的にはまだピークに達していない地域が多いようだ。

そのような中で高齢者施設のクラスター感染は、12/5・0時までの直近1週間で723件となり、前週から48件増えた。増加はこれで7週連続となり第7波のピーク時に迫ってきている。

そのため面会制限が続けられている介護保険施設が多いが、社会の反応は必ずしも、「やむなし」というものだけではない。「家族を今施設にいれると、まともに会えなくなって可哀想」・「中に入れないだけに、どんな対応をしてもらっているのかわからなくて不安」という声も少なからず聴こえてくる。

このように外部の第3者の目が届きにくい介護施設でも、きちんと適切なケアサービスを提供できていることを証明しなければならない。サービスマナーの確立はそのための重要アイテムである。

そういう思いを込めて昨日、「陽だまり」という記事を書き、そこで道内西興部村の障害者支援施設における虐待事案も論評した。

しかしこの記事を書いている最中に、僕が住む登別市と隣接する白老町の老健施設での虐待報道が飛び込んできた。

白老町立介護老人保健施設「きたこぶし」で、複数の職員が入所者4人に対し、緊急性がないのに身動きしにくい介護衣を着せたり、四方を柵で囲んだベッドに寝かせたりする身体的虐待を加えた。さらに排せつ中の複数の入所者に「汚い」・「臭い」と暴言を浴びせたというニュースである。

さらにこの施設では、入所者2人の頭にたんこぶができているのを確認しており、「職員にたたかれた」と話しているという。おそらくこれも職員の暴力によるものだろう。
冬の一本松・美瑛町
続けざまに飛び込んでくる介護現場での虐待報道・・・世間はこのことを氷山の一角であり、隠された虐待がもっと多くあるのだと思うだろう。そして介護施設の多くが虐待と無縁ではないと思い込むのではないか・・・。

それは事実ではない。我々はそんな氷山ではないし、日常的に虐待を行っている施設が多数派ということでもない。しかしいくらそうはいっても、こうした虐待事案が月単位で見ると、必ずどこかで訪づされるという現実は、介護事業の信頼性を失わせることに繋がって仕方のない状態ともいえる。

この状態をどのようになくしていけばよいのだろう・・・。こうした虐待報道を受けて専門家と言われる人が、「原因は利用者軽視。もっと利用者に対する人権意識を高めて、尊厳を護るように意識改革せよ。」なんて評論しているが、言うは易し行うは難しである。

そんな評論などなんの役にも立たない。そもそも人権意識ばかり前面に出しても何も変わっていないことは歴史が証明している。人権意識を前面に出して、介護事業に携わる人間が人権を護る最前線に立っているような勘違いをさせるから、「施し」意識が抜けずに、上から目線で、「助けてやってる」的な対応がはびこるのである。

そうして介護支援者の心づもり一つで、何でもありの介護現場となり、簡単に利用者の行動制限を行う行為や、言葉による心理的虐待がなくならないのである。

人権意識も大事だが、その前にもっと意識させなければならないことがある。それは利用者はお客様であるという、「顧客意識」である。

我々の仕事は利用者がいることで成り立ち、利用者が居なくなれば運営費用も、我々の給与原資もどこからも入ってこないという、「ごく当たり前のこと」をしっかり意識し、お客様に対して失礼のない対応に終始するのが、対人援助のプロとして必要不可欠である。そういう意識をもっと強く意識させなければならない。

家族そのものにはなれない介護従事者が、介護支援の場で利用者に関わるときに求められる態度とは、家族と同じ遠慮ない態度ではなく、介護のプロとしての態度である。信頼のおける知識と技術に基づいた介護支援と接遇ができることである。

利用者によそよそしさを感じさせないように、タメ口を使い続けるような勘違いした職員がいなくなるように、よそよそしさを恐れるより、無礼で馴れ馴れしい対応で、利用者の尊厳や誇りを奪い、心を殺してしまうことを恐れる職員教育を徹底することである。その教育になじまない職員は、介護の仕事に向かない人と判断して、別の職業を探してもらう覚悟も必要だ。

虐待防止のためには、「専門家や他施設の職員など外部に現場をチェックしてもらう仕組みが必要だ。」という意見もあるが、外部のチェックに頼るサービスの質は、外部のチェックが届かない場所に深く沈んで、闇を創る結果にしかならないことを知るべきだ。

このことに関しては、けっして妥協しないことが、利用者を護り、職場を護ることに繋がることを忘れてはならないのである。
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