今でこそブルース・リーと言っても知らない人が多いだろうし、今の若者に言わせれば、「なんじゃそれ?」と言った感じだろう。

しかし僕たちが中学生の頃は、彼が世界一の大ヒーローだった。

燃えよドラゴン」から始まる一連のドラゴンシリーズを観るために、映画館に通った覚えは数あるし、カンフーとかヌンチャクとかいう言葉は、その映画で覚えた。

そのブルース・リーは、1973年夏に香港で32歳の若さで他界した。当時死因は鎮痛剤摂取による脳腫脹だとされていたが、没後50年以上経過した今、それが低ナトリウム血症である可能性が高いことが明らかになった。

クリニカル・キドニー・ジャーナル誌に発表された研究には、こう綴られている。

私達は腎臓が過剰な水分を排出できなかったことでブルース・リーが死亡したと考えています」・「ブルース・リーが、ある特定の腎臓機能障害により死亡したと仮定するとします。腎臓が恒常性を保てるほどの水分を排出できなかったのです」・「水分の過剰摂取と尿の排出量が合わない場合は、数時間以内に低ナトリウム血症、脳水腫(脳腫脹)、そして死に繋がります。これはリーの死亡のタイムラインにも一致しています。」・「水分の過剰摂取が、最終的に彼を死に至らせたようです」・・・。

誰よりも屈強だった伝説のアクションスターの死因が、「水分の過剰摂取による低ナトリウム血症」であったという結末にショックを受けた方も多いだろう。

しかし昔から、「水中毒」という言葉があるように、水分の過剰摂取は死につながる恐ろしい状態を引き起こすことはよく知られている。そもそも人間の腎臓が持つ最大の利尿速度は、毎分16mLであるため、これを超える速度で水分を摂取すると、体内の水分過剰で細胞が膨化し、希釈性低ナトリウム血症を引き起こすのは当然と言えば当然である。

そういえばブルース・リーの映画での一つの売りは、彼のアクションシーンでほとばしる汗のしぶきであった。その汗を美しく・強く見せるために過剰の水分摂取が必要だったのだろうか・・・・。
水分過剰摂取と水中毒
そこで思い起こされるのが、特養を中心に行われていた、「竹内理論」の実践である。それを行っていた特養では、身長や体重に関係なく、病状への配慮もなく、食事以外に1.500ml/日もの大量の水分摂取を強制していたわけである。

汗や不感蒸泄の量には、大きな個人差があるのに、それに関係なくそれほど大量の水分を一律強制摂取させているのだから、必ずその中には体が悲鳴を上げた高齢者も多いことだろう。

そして竹内理論の実践施設では、必ず強制水分大量摂取の影響で死に至らしめられた人がいるはずである。・・・しかし心不全や低ナトリウム血症は、高齢者では決して珍しくない死因なので、誰からも水分の過剰摂取が原因の死であると疑われなかっただけの話ではないかと思う。

そもそも竹内理論実践施設で、水分を強制的に1.500ml/日飲まされていた高齢者の中には、そんな水は飲みたくないと泣きながら拒否しているのに、そんな言葉も表情も顧みられることなく、無理やり口をこじ開けられて水分補給をされていた人がいる。

そんな例が枚挙にいとまがないのだから、声なき声や、目の充血や手足のむくみといった形で体が挙げる悲鳴なんて顧みられることもなかったのだろう。

それはまるで、カルト宗教に洗脳されたテロのような行為である。それが特養という暮らしの場で、一社福の王様である施設長の音頭で行われていたのだから恐ろしいことだ・・・。

だから竹内理論の実践旗を振っていた全ての特養施設長に言いたい・・・「人殺し」と・・・。

まさか人殺し行為である、「竹内理論に基づく水分強制摂取」をまだ続けている施設があるのだろうか。もしあるとすれば、その施設の経営者及び管理職に声を大にして言いたい。・・・「人殺し!!

今日はその一言で締めてよいだろう。
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