人が生きるためには、その人にとって柔らかな日差しと温もりがある場所が、どこかに存在している必要がある。

暗闇をさまよい迷っているときも、寒さにこごえ震えているときも、そこに行きさえすれば陽だまりができていて、不安も恐怖も悲しみも慟哭も消し去ることができる。

人間が長い人生を歩んでいるときに、そんな場所を欲するときがある。そんな居場所が必要になるときがあるのだ。

大学生時代、社会福祉学を専攻していた関係で、様々な困難を抱えて暮らしを送る人と出会った僕は、そんな人達もホッとできる場所がどこかにできないかと思った。

せめて社会福祉援助の場をそんな場所にしたいと思って、介護施設を経営する社会福祉法人に勤める道に進んだ。

それは僕の中では理想ではなく、かといって実現可能なゴールでもなく、単なる「思い」でしかなかった。だが、その思いと反するものとは徹底的に戦ってきた。その思いを邪魔するものとは争うことを厭わなかった。

そのために若い頃の僕は、ずいぶんとんがった嫌な奴と多くの先輩方から思われていたろうと思うし。しかも年を取った今現在も、相変わらず戦い続けているので、アンチmasaがたくさんいることを知っている。

でもそんなことはどうでもよいことだ。

思いが実現するかどうかはともかく、実現できない前に妥協してしまうことが一番駄目なことだと思っている。思いを現実に近づける途中で前のめりに倒れることはあるかもしれないが、機会と方法がある限り、消えない思いを追いかけようと思う。

そのために今も信じた道を進んでいる。その思いに共感してくださる人たちとつながりあって、答えを探し続けている。
陽だまり
私たちは、自分自身が光輝く太陽になる必要はない。私たちの役割とは、何かが発した光や誰かの温もりを、利用者に届けるために工夫をすることだ。

光の届かない場所に光を届ける工夫、光の届かない場所に居る人を光の届く場所に連れていく工夫、光のある場所の温もりをできるだけ護る工夫・・・。それができる人が本物の社会福祉援助者だと思う。

介護保険制度にしても、その他の社会福祉制度にしても、所詮は人間が作り出したルールに過ぎない。そんなものがすべての人の救いになるわけがない。

だがその制度を運用する人々が知恵を働かせて、制度の光の部分をできるだけ周囲の人々に届けることはできるはずだ。対人援助のプロとして、私たちはそうした立場で制度を運用する役割を与えられているのだと思う。

この国には、介護サービスを利用する必要があるものの、実際にサービス利用したとたんに、心身の障害を持つというだけで、年端のいかない人生の後輩である若い介護職員にため口対応されて悔しがる介護サービス利用者が存在する。

よそよそしくならないようにという屁理屈で、無礼ななれなれしい言葉遣いを直さない介護職員によって、心を殺される要介護高齢者がなくならない。

そんな偏見やバリアを、一つ一つ壊していくのが僕の役割だと思う。

そのためには特定の介護事業所の民度の低さ・特定の介護職員の知性の低さを遠慮せずに指摘しなければならない時がある。それも厭わずに続けていこう。そのことで誰かに忌み嫌わたとしても本望だ。

今週も北海道の障碍者支援施設を舞台にした虐待が明らかになった。今朝、僕は自分のフェイスブックに下記のように書き込んだ。
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オホーツク管内西興部村の障害者支援施設「清流の里」での虐待が明らかになっています。男性職員6人が男性入所者13人に対し、全裸で長時間放置するほか、器から盆にこぼれた食事を食べさせたり、病気により身体を動かしづらくなっているのに無理やり動かしたりするなどの行為です。

なぜここまで人は人を傷つけることができるのでしょうか?自ら職業として選んだ職場で、他人に誇ることができない仕事を続けて、楽しいことがあるんでしょうか?

障害者支援施設では、職員が暮らしの伴奏者ではなく、生活指導の教官と勘違いしている人も居ます。障害を持つ方にとって、施設は暮らしの場=逃げ場のない場所です。もっとそのことを重く考えて、利用者対応の在り方を根本から考え直すべきです。
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こんなことをつぶやかなくてよい社会にならないものだろうか・・・。悪や不正、暴力や非正義をすべて排除する社会は非現実的なのだろう。しかし僕たちの目の前から、少しでもそのようなものがなくなるように、できることをコツコツと続けていくしかないと思う。

傷ついた誰かがその心を癒し、ホッとできる陽だまりをなくさないようにすること・・・その方法を探し続けること・・・それが唯一僕たちができることだ。

そんな知恵と力しか持たない僕ではあるが、その意思を曲げずにその思いを広げるために、志を同じくする仲間とつながり愛たい。
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