僕が社会人となった以後だけから見ても、この国では震災と呼ばれる大きな地震災害が2度も起こった。

一つは阪神大震災であり、一つは3.11と呼ばれる東日本大震災である。

どちらも記憶に深く刻まれる大災害であったが、津波と原発被災が重なった東日本大震災は、記憶が阪神大震災より新しいこともあり、最も印象に残っている大災害である。

そこでは様々な悲劇が生まれ、今なおその哀しい記憶と爪痕を引きずって生きておられる人がいる。

時の流れが哀しみを癒してくれるというが、決してそうではなく、時が経つとともに哀しみを深く胸の奥にしまい込んで、他人にはその思いを隠しているだけという人も多いのだと思う。そもそも11年という時は、人の心を癒す時間としてはあまりにも短すぎて、まだ後悔とか慟哭とかを引きずって生きている人が大勢いて当然だと思う・・・。

そうした中でも、この11年間に気持ちを新たに、路を切り拓いてきた方々おられる。哀しみの言えない方々も、その人たちの活躍する姿、頑張っている姿を見て勇気を得ていただきたい。

今日紹介する酒蔵も、震災で大きな痛手を受けて、一旦は廃業まで決意した後、思い直して復活し、以前にも増して日本酒ファンの支持を得ている蔵である。

明治29年創業の赤武酒造は、岩手県大槌町にあった本社工場が東日本大震災の津波によって流失。その惨憺たる様に打ちひしがれた5代目社長は、一旦廃業を決意したそうである。しかし蔵の中心銘柄「浜娘」の味を心待ちにしているファンや酒造仲間からの励ましもあって、震災があった年には盛岡市内の醸造施設を間借りして「浜娘」を醸造。やっとの思いで全国に「浜娘」を届けることができたそうである。

そして2013年に盛岡市に新蔵を建設し、2014年、5代目はご子息の古舘龍之介さんを6代目件杜氏に就任させると同時に、「浜娘」に次ぐ新たな銘柄の立ち上げを若き杜氏に一任したそうである。

6代目ともなった古舘さんは、東京農大醸造科で酒造りを学んでいたが、学生時代に利き酒の全国大会で日本一になるなど、松尾様(酒造りの神様)に祝福される舌の持ち主で、まさに杜氏になるために生まれてきたような人である。

こうして若干22歳で赤武酒造の杜氏に就任した古舘さんが新ブランドAKABU(アカブ)を立ち上げた。同時に、「赤武酒造の新しい歴史を創る」の合言葉で若者たちが赤武酒造に集まり、時代に合う酒造りを目指している。まさに今現在活気にあふれた蔵が醸すお酒を紹介したい。
AKABU純米酒
AKABU(アカブ)・純米酒。(1.8L)2.870円。一口飲むとわかるが、これ純米酒レベルではなく、純米吟醸ではないかと思うほど、フレッシュな香り立つすごい酒である。

この香りを存分に味わうためには、広口のワイングラスで呑むのが一番である。是非試してほしい。
AKABU純米酒
酒米と酵母、仕込み水すべて岩手県産にこだわっており、他の地域では味わえない岩手県ならではの魅力が感じることができるお酒。精米歩合60%になるまで磨き上げた一本。アルコール度数は15度。

かすかなフルーティーさを持ちつつ、甘すぎず辛すぎず、絶妙の旨みとキレの良さのバランスが取れたお酒だ。今年呑んだ中でもベスト3には確実に入る酒。コスパも良し。

必ずリピートしたい、間違いのない酒である。復興の酒で若い力とこの国の未来への希望を感じ取ろう。

しかし皆さんもぜひ味わってほしい…とはあえて言わない。この酒を好むライバルは一人でも少ない方が良い。手に入りにくくなっては困るのである。

ああ、それにしてもアル添(醸造用アルコール添加)していない本物の日本酒は旨いなあ〜。やっぱ世界一のお酒だと思う。
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