秋葉原UDX NEXTで行われる介護事業経営研究会、「C-MAS 全国大会2022」が、いよいよ来週金曜日(10/21)に迫っている。
僕も登壇し、「大胆予想・次期制度改正とこれからの介護事業」というテーマで講演を行う予定なので、まだ申し込みがお済みでない方は、是非文字リンク先からお申し込みいただきたい。
このブログの読者の皆様で東京の近くにお住いの皆様と、この機会に是非つながりあいたいものである。
さて、こんなふうにして全国様々な組織から講演依頼を頂くが、その際は当然のことながら講演テーマも依頼主からいただくとになる。
テーマの決定を手助けするツールとして、北海道介護福祉道場あかい花の公式サイトで公開しているmasaの講演履歴と予定を紹介して、それを参考にしていただくことも多い。
勿論、そんなものを参考にするまでもなく、依頼主の方が主体的にテーマを示してくれることも多いし、僕のこのブログ等から、僕の考え方を聴きたいとして、このブログに書いている内容を指定されることもある。
そんなふうにテーマが決まってくるわけであるが、例えばサービスマナーというテーマを複数の講演主催者から同じように依頼されることがある。その場合同じテーマだからと言って、いつも使いまわしの講演スライドを使って話すのは、依頼主に対してあまりに失礼だと思う。
そのため講演受講者の属性等、様々な要素を加味して話す内容を変えているために、同じ講演スライドを複数の講演会場で使いまわすことは、ほぼないと言ってよい。
その時加味する要素の一つとして、講演主催者や受講予定者の方々の希望=「聴きたいこと」というものがある。そのためそうした希望がないかをあらかじめ問い合わせ、できるだけ希望に沿った講演内容にするように心がけている。
勿論、決まった時間内ですべての希望に応えることはできない場合もあるし、講演テーマとまったく関係のない希望を出されても、話がまとまらなくなって得るものがない講演となることもあり、希望に添えない点もあることを理解してもらいながら、受講者にとって最善の内容となるように、日々プロットづくりに励んでいるところだ。
さてそのような講演内容の希望の中に、先日、虐待防止のためのサービスマナー意識の向上に関連して、「虐待につながる前のグレーゾーンケアを効果的に抽出する方法について」という質問があった。
この質問に答えを出すとすれば、「虐待に関して言えば、グレーゾーンケアなんて存在せず、虐待したか・虐待ではないか、という白黒のはっきりした状態しか存在しない。」ということだ。

お客様である介護サービス利用者に対して、従業員が顧客対応としてふさわしい態度であるかどうかが問われており、ここにはグレーゾーンは存在しないからだ。
例えば、「言葉遣い」について今一度真剣に考えてほしい。
お客様にタメ口で対応する人たちの理屈は、「介護は人と人が向き合って暮らしの支援をする職業なのだから、あまり丁寧な態度にこだわり過ぎると、利用者に堅苦しさを感じさせることになる。」とか、「家族のように親しみを持ってもらわねばならないのだから、くだけた言葉遣いも必要である」といったものである。
しかしタメ口とは、年下の者が年長者に対等の話し方をすることを意味し、親しみを表現する言葉遣いではなく、顧客に対しては、「失礼な言葉遣い」である。
そうした言葉遣いを放置して従業員が顧客に接していた場合、顧客側から、「失礼な言葉遣いをされて傷ついた」と言われてしまえば、それは心意的虐待行為と認定されてしまうのだ。
家族そのものではない介護サービス従事者が、家族と同様のタメ口で利用者に接することで失礼と思われてしまえば、それだけで過失責任は生ずるのだ。ここにグレーゾーンは存在しない。
悪気がないから虐待・不適切行為に当たらないということも間違った考えだ。
虐待当事者に悪気がなくとも、行っている行為が不適切だと認められた場合、その結果利用者が精神的あるいは身体的に傷を負った責任は問われることになる。
だからこそ介護サービスの場では、顧客である利用者に対して、顧客対応としてふさわしい対応ができているかどうかが問題となり、必要最低限の顧客対応が取れるようにしておくことが最大のリスクマネージメントである。
繰り返しになるが、社会常識から考えて道義上問題ある対応の末、利用者が虐待であると訴え出た場合、すべてクロなのだ。逆に、利用者が虐待を訴えても、社会常識から考えて道義上問題ない行為の末の訴えであればシロとされるのである。クレーはないのだ。
よってサービスマナー研修などを定期的に行って、従業員にサービスマナー意識を植え付けて、常にその維持・向上を図らせる務めが、経営者や管理職に求められるのである。
ここをおざなりにした介護事業運営をしておれば、いつ足をすくわれる事態になってもおかしくない。
従業員の顧客に対する不適切対応や虐待が問題視され、社会の批判を浴び、事業経営の危機に陥るという事態は現実のものとなるだろう。
さて今日は午前中から看護学生に、「ターミナルケア」をレクチャーしている。この後15時まで講義は続く。

将来僕らを看取ってくれるかもしれない学生に、本物のターミナルケアの在り方を伝えようと思っている。
特に人生の最終ステージを過ごす方々に、今わの際にまでマナーに欠けるタメ口で対応して、嫌な思いを引きずったままで、この世から去らせることがないように、日常からマナーを持った看護が大事であるということを・・・眉の上に手をかざして見つめる看護とは、サービスマナー精神にあふれた日常の看護対応によって、はじめて本物になるということを伝えてこようと思う。
白衣の天使になんてならなくてよいから、自分の中の大きな愛を、小さな仕事の中であふれさせることができる、「かんごびと」になってくれることを期待して、魂を込めて話してこよう・・・。
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私の職場も、少しずつですが、良くなってきました。それは、いい職員だなと言う人がやめてしまい、その理由が、全てが言葉遣い、接遇マナーなのです。やっとわかっていただいたのか、気をつけていこうと思う人が増えてきました。が、未だに、この人は、こういう対応でいいからとか、くだけた言葉遣いの方が伝わりやすいと、自分で判断してしまうのです。その入居者の事を全て、わかっているのでしょうか?どんな生活を送ってきていたのかがわかっているのでしょうか?自分のやりやすい?ようにしてしまっているのです。
私が注意すると、この派遣上がりがと思われてしまうので、違う職員に伝えてもらっています。
普通の生活って難しいのでしょうか?悲しくなります。
masa
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