新型コロナの行動制限のない期間が続く中、巷では様々なイベントが3年ぶりに復活開催されるニュースが聴こえてくるなど、多くの地域で季節ごとの風物詩が戻りつつある。

11日からは外国からの入国者数の上限も撤廃され、インバウンドも復活の兆しが見えてきた。

さらに昨日行われた岸田首相の所信表明演説では、屋外のマスク着用に関し「近くで会話をしない限り必要ない」と強調するシーンも見られた。

そんなふうに世の中は、ウイズコロナに軸足を確実に移しつつある。それは歓迎すべき方向性だと思われる。

しかし第7波でクラスター感染が相次いだ高齢者施設等では、いまだに面会制限を解けないところが多い。その中には面会制限が既に3年近くにも及んでいるところがあり、面会できない家族等からの不満の声が挙がり、その対応に苦慮されている関係者も多い。

何より利用者のQOLの低下を懸念し、面会制限をいつまで・どのような形で継続していくべきかを悩んでいる関係者が全国にたくさんいるのが現状だ。

そこで僕が管理する表の掲示板では、「 施設の面会制限とQOLのバランスはどのように取っていますか?」というスレッドが9/30に建てられて、現在進行形で情報交換が行われている。

全国の介護施設の関係者の皆さんは、こちらのスレッドに是非参照してほしい。そして全国の介護関係者がどのような思いで面会制限を続けているのかに思いを馳せ、そのことに関連する意見を書き込んでいただきたい。

このスレッドを読んでわかるように、現在の対応は様々だ。まだWEB面会しかできない施設があったり、アクリル板越しの面会に緩和したり、面会時間や予約の必要性も施設ごとに全く異なるルールを定めて対応している。

だからと言ってどの方法がベストとか、その方法は許されないとか評価できる問題ではないと思う。

それぞれの事情が制限につながっているので、個別の事情に対策できる方法で、今現在の対応に影響しているのだろうとしか言えない。

特に一度でもクラスター感染が発生した施設等は、対応が慎重にならざるを得ない。感染発生中に利用者の方々に大きな不便をかけたことにとどまらず、職員も感染する中、少ない人数で業務をこなさざるを得なかった大変さ・・・。

それにも増して悔しいのは、クラスター感染を発生させたことが原因で、家族から感染の危険性が高い施設で働き続けないでほしいと懇願され、退職してしまう職員が多数出た施設が多いということだ。貴重な人材がそういう形で流出した施設では、二度と同じことが起きないようにより慎重な対応を取り続けるのは当然と言えば当然のことである。

よって現時点では、当該スレッドの情報を参考にして、それぞれの事情に合わせて、随時面会制限の緩和や撤廃に向けて準備を進めてほしいとしか言えないわけだが、一つだけ救われることがある。
誰かの心に咲くコスモスのように
それはこのスレッドに情報を書き込んでくれている方々が、決して漫然と機械的に、自己保身のために面会制限を続けているわけではなく、面会制限を続けることに対する心苦しい思いを持ちながら、現状で何がベストなのかを模索しつつ、真剣に面会制限をどうすべきかという問題に向かい合っている姿が見えることである。

利用者や家族の方々に寄せる思いがそこに垣間見えるのである。

対人援助は、私たちとサービス利用者のみの関係性で完結できる職業ではない。私たちの職業は、利用者の方々が背負っている人生と人間関係を含めて向かい合う職業だ。よって介護施設の都合とルールという範囲でしかものを考えなくなっては困るのである。

スレッドにコメントしてくれている方は、きちんとそのことをわかって考えてくれている人だと思う。

コロナ禍以前のように、制限なく自由に居室を訪問して面会ができる状態にはならずに、何らかの制限は続いていく可能性も高い。だからこそ一層、制限を受ける人に対する人としての優しさが問われてくると思う。そのことを忘れないでほしい。

私たちはこの世で大きなことはできないが、小さなことを大きな愛をもって行うことはできる。制限というバリアを行使するときも、制限される相手に対し、どれだけ愛情をもってその行使を考えることができるかが問題だと思う。

そういう意味で、僕の管理掲示板に集い、建設的な意見を交換し合う仲間は、素敵な人たちが多いのだと改めて感じている。心強いかぎりである。

面会制限の緩和や解除も、それぞれの事情に応じて前に進んでいくことだろう。その様子を温かく見守っていきたい。
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