今週の10/8土曜日の13時〜通所介護と特養の今後の事業経営に関する講演を、それぞれ90分間オンライン配信する。(※通所介護のオンライン講演こちら特養のオンライン講演はこちら。)

この講演はトータルブレインケアが主催し、内田洋行が共催する講演で、どちらも申し込むだけで無料で視聴できるので、まだ申し込みがお済みでない方は、是非今からお急ぎ申し込みをお願いしたい。

90分の講演が両者同じ内容になっては分けて配信する意味がないので、それぞれ違った角度から話をさせていただく予定である。そのため通所介護の方は、「顧客確保と事業拡大に向けて」というサブテーマとし、特養の方は、「LIFE対応と人材マネジメント」をサブテーマとした。どうぞお楽しみに。

ところで今後の介護事業経営を考える際に、一番重要になる情報は制度改正や報酬改定の動向であることは間違いがない。

それはなぜかと言えば、制度改正と報酬改定は団塊の世代がすべて90歳に達する2039年以降を視野に入れて、制度の持続性保持のために行われているからであり、1980年代半ばのように、高齢者介護制度を抜本的に改革しようという動きはまったくないからだ。

ということは、仮に政権交代があったとしても今後20年以上は介護保険制度が継続されることは確実であり、公費中心に収益を得る介護事業にとって、介護保険制度と報酬単価の今後の動きが、事業戦略上、最も知っておかねばならない情報となるからである。

しかしどんなに正確な情報をつかんで、それに沿った的確な事業戦略を練ったとしても、足元で働いている従業員の管理をしっかりしていないことには、すべての事業戦略は根底から崩壊し、あって無きものになりかねない。
落陽
例えば、「夜勤専任者が指名手配された特養の評判とその教訓」で論評した職員のような人間が、一人でも存在するだけで、介護事業者は経営危機に陥るかもしれない。

当該事件が起きた特養は、過去に行政から虐待を指摘され改善指導を受けていたとのことで、それにもかかわらず当該事件の犯行現場となったということは、今後、被害者遺族等から事業者管理責任を問われ、損害賠償を請求される恐れがある。

社会や地域住民からは、虐待や犯罪が繰り返されている特養というレッテルが張られて、道義的責任も問う声が挙がってくるだろう。そのことによって今後は利用者確保・従業員確保の両面で困難さが増すと思え、そのことが事業経営上の大きなネックとなってくることは容易に想像がつく。

先の見える従業員なら、このような施設を退職して、もっと未来のある介護事業者で働こうとするのは当然で、退職者が続出する恐れもある。そうなると事件の背景にある人材不足を永遠に解消できない状態となることも必然ではないかと思う。

要するにお先真っ暗になるのだ・・・。

そうならないための人事管理・労務管理が絶対に必要だということを、関係者は肝に銘ずる必要がある。

さすれば介護事業経営者は、外に向けてアンテナを張る以上に、内側に向けたアンテナを張って、自らの足元の介護事業で働く人の姿を知らねばならない。

特に介護施設は、夜間一定のフロア内でワンオペ業務とならざるを得ない点が問題だ。それはワンオペ夜勤をする職員の心づもり一つで、何でもできてしまう状態であるという意味だ。

そこで利用者の尊厳に最大限配慮して介護業務を行うことができるのか、従業員自身の都合を優先し、機械的作業をこなすだけで利用者への配慮を欠いてしまうのかは、日ごろの人権教育によって左右されるのである。

職場全体で人間尊重という福祉援助の価値前提を理解できる人材育成システムを創り、その価値前提を護り抜いて仕事をするのが当然であるという職場環境を創らねばならない。

そのためには経営者や管理職がより高い人権意識をもって、尊厳を護りぬく理念を掲げ、その理念を実現するための職場のルールを創り上げ、それを遵守できない従業員は、自分の職場に必要のない人材と割り切って事業経営を行う覚悟が必要だ。

そうした経営を貫いて、人を護る介護事業を展開していけば、自ずと人を護りたいという動機づけを持つ良い人材が集まってくる。そういう人たちによって、介護の場から優れたサービスが生まれ、サービスの品質向上結果が顧客を呼ぶだろう。そういう経営を目指すことが、結局のところ介護事業経営で一番必要なことなのだろうと思う。

その基盤が人間尊重の価値前提であり、その価値を生むものが利用者=顧客に対するサービスマナー意識であることに気が付かねばならない。
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