暦の上では3連休の最終日である今日は、「敬老の日」である。

老人をことさら敬う日を創らねばならない国は、日ごろの敬老精神が欠けている証明ともいわれることがあるが、長寿を寿ぎ、多年社会に貢献して生きてきたとして高齢者に敬意を払う日があっても悪くはない。

そんな日であるから、高齢者施設では敬老の日を祝う行事を行っているところもあるだろう。世間一般の勤労者が、「今週は、火・水・木の3日勤務すれば終わりだ」と言っている中で、介護事業者の職員はシフト勤務で休みなく働いておられる人が多い。

介護事業経営者の給与も、そういう人が居てくれるからいただけるわけで、休日や祝日の日にはそのことに感謝して、従業員の方々に少しでも手渡せる労働対価を増やすための事業戦略を練る工夫をしたいものだ。
北海道の風景
ところで、総務省が18日公表した人口推計によると、65歳以上の高齢者は前年より6万人多い3627万人で過去最多を更新したそうである。

75歳以上は72万人増の1937万人で、対総人口の割合が初めて15%を超えた。そのような中で出生率は6年連続過去最低を更新し続けているのだから、要介護高齢者を支える人材の確保は、介護事業者の最大課題だ。

ただ9/16公表の「厚生労働白書」を見ると、介護事業者の離職者数は低下傾向にあり、全産業の平均離職率とほぼ差がないことがわかっている。

ただし介護事業者間で離職率に大きな格差が存在することも事実で、今後はこの格差を埋めて、定着率をさらに向上させるための個別の事案検証が必要になる。

だが全体的な流れは、介護職員処遇改善加算の効果が一定程度はあったことを証明するものである。岸田政権は、介護職員の更なる待遇改善を公約として掲げているので、2024年度の介護報酬改定でも、処遇改善加算の再構築(上乗せなど)が期待できる。

それに先駆けて来月からは、時限措置だった介護職員処遇改善支援補助金に替って、「介護職員等ベースアップ等支援加算」が新設されることになり、処遇改善関連加算はそれぞれ配分ルール等が異なる3区分の加算となる。

その算定・支給ルールは複雑化する一方だし、事務作業も増える一方ではあるが、それにめげずにきちんとすべての加算を、しかも最上位加算を算定し、従業員に考え得る最大の対価を与えるように努めるのが、介護事業経営者の責任だ。

支給ルールが不公平だとか、いろいろな理由をつけて加算算定をせず、職員に与える得る対価を放棄している経営者は、従業員を大切にしていない、知恵と努力に欠ける経営者だと言われても仕方がない。

配分ルールが不公平と思うなら、配分が足りていない職員には、加算とは関係のない事業収益をより多く配分する経営努力をすればよいのだ。

そのようにしない介護事業者は、よりスキルの高い職員からは見放されるのが正常な状態と思っている。だから介護職員の方に対しては、「処遇改善最上位加算を算定し手渡さない事業者には見切りをつけよう」という記事を書いて、ポジティブな転職を推奨させていただいている。(※リンクを貼った記事をぜひ参照ください。)

介護市場は、今後20年間は毎年1兆円以上費用がそこに落ちてくる拡大市場だ。ここに介護職員だけではなく、他職種の給与改善原資も転がっているということだ。

それを獲得して、さらによりスキルの高い職員を確保・定着させることで、財源はさらに張り付いてくるという好循環を生む経営は可能であることを理解しなければならない。

しかしそれは、他の介護事業所と同じことをしていては実現するはずもないのである。

どこをどう差別化していくのかという知恵と経営手腕が求められる問題であることをいち早く知った介護事業経営者と介護事業者が生き残っていくのである。
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