昨日午後、熊本県老人福祉施設協議会主催LIFE研修会に向けて自宅からオンラインで、「LIFE(科学的介護情報システム)とは何か〜その目的と展望」をテーマに講演を行った。

3時間の講演であったが、そこではLIFEの全体像や実情を説明するとともに、特養と通所介護のLIFE関連加算の要件等について、細かく解説させていただいた。100を超える事業者の方が接続してくれており、複数の方が同じ画面を視聴していると思えるので、かなりの数の方が視聴されていたと思う。

僕の講演内容はいかがだったろう。皆さんの貴重な時間を頂くにふさわしいないようだったろうか。質問のある方は、遠慮なく事務局を通じて疑問や意見を送っていただきたい。
LIFEオンライン講演
ところでこの研修会に先立って事前質問をいくつかいただいていたが、その中に、「LIFEへの情報提出は、将来的に義務化されるのか」というものがあった。

結論から言えば、そうした方向になることは間違いないと言える。

2021年度に新設された、「科学的介護推進体制加算」は、訪問介護・訪問看護・訪問リハ・福祉用具貸与・居宅療養管理指導等の一部のサービスを除いたサービスに横断的に新設された新加算である。

この加算は、フィードバックのPDCA活用という要件はあるものの、それを除けばLIFEへの情報提出を6カ月に一度行えば算定できる、「実に手軽な加算」であると言える。

そういうと情報入力と提出に毎回大変な思いをしている担当職員の方には叱られてしまうことは理解しているが、要件的にはその作業さえすれば、フィードバック活用なんて、活用した記録さえあればなんでもない要件なので、特段のアウトカムも求められていないという意味で手軽なのである。

2022年4月現在の特養のLIFE登録率は90.0%で、科学的介護推進体制加算の算定率は62.0%である。通所介護のLIFE登録率は71.8%で、科学的介護推進体制加算の算定率は49.2%である。

この数字は、もっと高くなるだろう。

周知の事実であるが介護報酬の加算は、算定率が8割を超えた時点で報酬包括が検討され始める。このため2021年度報酬改定では、介護保険施設の栄養マネジメント加算が報酬包括とされ、加算単位が廃止となった。そのため栄養ケアマネジメント業務は義務化され、行っていない場合は減算されるルールになっている。

これと同じことがLIFE関連加算にも起こってくるだろう。特に手軽に算定できる科学的介護推進体制加算は、様々なサービスで今後、算定率が8割を超えていくだろう。その時点で報酬包括が議論され、将来的には間違いなくそうなるとともに、科学的介護推進体制加算の要件とされている情報の提出義務化されていくのも間違いのないところだ。

ただし2024年の介護報酬改定でそれは行われないだろう。次期改正では科学的介護推進体制加算が設定されていない訪問介護・訪問看護・訪問リハ・福祉用具貸与等にその新設が検討される。

居宅介護支援事業については、利用者情報提出は、計画した利用者が利用している介護サービス事業所から行われているので、利用者情報を提出しない形のLIFE関連加算が検討される。例えば計画している介護サービス事業所については、サービス担当者会議にLIFEからのフィードバック情報を提出するように義務付け、それを居宅サービス計画にも反映できるような仕組みの加算を検討中である。

そのように居宅療養管理指導等を除くほぼ全種別のサービスにLIFE関連加算を設定した後、科学的介護推進体制加算の報酬包括化が検討されていくことになるだろう。

どちらにしても介護保険制度が続く限り、LIFEへの情報提出とフィードバック活用は求められ続けていくので、情報入力と提出の労力が大変だと言っている暇はなく、早くその業務に慣れて、LIFE対応業務をルーティンワーク化していく必要がある。

2024年までの期間は、LIFE対応の習熟期間でもあることを理解せねばならず、LIFEと無縁の業務に終始している事業者は、廃業への道をまっしぐらに進んでいることを自覚してほしい。
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