介護事業者も様々な形態・規模・特徴がありますが、事業を続ける中でいろいろな色がついてきます。

そこには事業者独自の価値観や暗黙のルールなどが生まれてきます。それが組織風土と呼ばれるものです。それには良いものもあれば、悪いものもあるのです。

悪い組織風土に気が付いて変えようとする人が組織の中にいたとしても、組織内部の力だけでそれを変えるのは非常に困難です。変えようとする人に一体どんな権限や力があるかということが重要な問題となるからです。

一般的には、組織内で人事権を持った一定の権力のある人が本気で変えようと思わない限り、悪いとわかりきった組織風土であっても、変えることはできません。

あらたなリーダーを外部から連れてきて、「変えてください」と期待しても、そのリーダーに権限を何も与えず、かつ経営者や管理職が強力にそのリーダーを護ろうとしないとすれば、志がいくら高いリーダーでも、古くからの組織風土につぶされるのが落ちです。

結果、何も変わらないどころか、つぶされたリーダーが精神的に崩壊するという悲劇を創り出します。

本気で組織風土を変えようとするならば、変えるための旗振り役に強力な権限を与えて、そのことを職員全体に知らしめて、信賞必罰のルールを護り、できない職員には罰則を与えるという覚悟が必要です。

ただしそれを行ってもなおかつ、組織風土が良くなるには時間がかかることを理解せねばなりません。
原野にそびえる一本の木
改革には現場でリーダー役になる人がいることも重要ですが、現場のリーダーを荒野にそびえる一本の木のように放置せず、権限のある管理職がしっかり後方支援して支えることが必要になります。

そうした体制と覚悟がない限り、組織風土は決して変わることはありません。

そもそも内部情報は、外部情報を取り込んで初めて更新されるものなので、本気で組織風土を変えようと思うならば、外部の人の力を借りる必要も生じてきます。組織風土の改革をスピードアップしようとすれば、優れた外部指導者を取り込んで風を入れるという考え方も必要になります。

内部の職員同士という関係は、様々な葛藤が生ずる関係でもあります。「言っていることはわかるが、あいつの言いなりにはなりたくない」という感情が先走り、改革の足かせになることも多々あります。そこには内部の出世争いなど、様々な要素が生ずるからです。

だからこそ外部から風を吹かせる方策が求められます。同じことを言ったとしても、外部の有識者から言われると素直に聞くことができたり、心に響いたりすることは多いのです。

僕がサービスマナー講師として、特定の法人さんなどに招待を受けて講義をすることも、そうした意味をもつものです。

しかも僕の場合は実績があります。僕が経験してきた介護実践の場も決して優れた介護実践を行っていた施設ではありませんでした。むしろ素人が寄せ集められて、知識も技術もつたない状態の職員が多く、利用者に対する接遇意識にも欠ける態度の職員が多かったのです。

そこを改革し、北海道の片隅の田舎町で、どこよりも先進的に看取り介護を実践するなど、様々な介護実践の方法論を生み出してきました。そこで作成した看取り介護指針を、全国の介護施設や居住系施設が手本とするなど、外部に発信できる介護実践を行うまでになりました。

さらに介護事業において、サービスマナー意識などの概念さえない時期に、「介護サービスの割れ窓理論」を提唱し、言葉遣いをはじめとしたマナー意識の向上を訴えてきたのです。

僕はそのような歴史と事実を背負って、真実を伝えています。

そんなふうにフィクションの存在しない実践論を語ることができるのが、僕の講義に説得力を与えているのだと思います。ですから僕の講演や講義を聴いてくれた多くの方が、僕の言葉を心に刻んで、介護実践の場にその方法論を持ち帰って改革に努めようと気持ちを高揚させてくれます。

ただその気持ちを、僕の話を聴いていない人に同じように伝えるのが難しいのでしょう。ですからできれば職場単位で、職員全員が僕の話に耳を傾ける機会を作っていただければと思います。改革のテンションの高まりは、直接話を聴くことでより効果が挙がるのです。

またサービスマナー意識については、繰り返しその必要性を訴えて、定期的にその意識の低下がないようにチェックする必要があります。そうしないとマンネリズムは、マナーの低下に直結して、元の木阿弥になりかねないのです。

サービスマナー研修は、一度開催して終わりでは効果が薄くなります。繰り返し何度も、定期的に行ってください。勿論それをすべて外部講師に委ねる必要はありません。定期研修は管理職や実践リーダーを講師すればよいのです。講師役になる人は、誰よりもマナーある介護実践に努めなければ説得力がなくなりますので、自らの態度を正すという意味で、それは効果のある研修方法となります。

ただし前述したように、内部情報の更新は外部情報を取り入れて初めて有効なものになりますので、年に一度とか、2年に一度程度は、外部の有識者であり、実践者として成果を挙げている人を講師として招いて、外からの風を入れるようにしてください。

僕の場合は、全国どこでもお招きいただければ、いつでも飛んでいきますので、まずはメールでお気軽に連絡いただければと思います。メールは、北海道介護福祉道場あかい花の文字リンク先の右上の✉マークから送信してください。

必ず返信しますので、返信がない場合は何らかの障害で届いていないものと思って、サイトの上部のグレーの帯部分に書いてある方法で、連絡してみてください。

どうぞよろしくお願いいたします。
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