今日8月12日は、僕の誕生日です。
ただし3年前に、西宮の幸地社長(グローバルウォーク)が、僕の還暦祝いを北海道で開催してくださる予定だったところ、コロナ禍によって延期となっていることから、3年前の59歳から年を取らないことになっております。
晴れて、「masa 60th Anniversary 」が開催された暁には、そこから60歳が始まることになりますので、よろしくお願いいたします。
さてそんな12日ですので、今日は12という数字にちなんだ話題を書きます。(※ちなみにこの記事は12:12にアップした。)
ということでここからが本題・・・。
介護事業者の、「あるある」・・・。その一つに、職員応募に募集があった人を、誰でも彼でも闇雲に採用するということがある。
同時にそうして採用した人を、就業初日に介護の場に放り出して、金魚の糞のように先輩職員のお尻について歩かせて、仕事を見て覚えろ的な指導しかしていないところがある。それも事前に基礎教育を全く行わずにである・・・。
そのような状態は職員教育とは言えないし、将来法人の財産となる職員を育成しているとも言い難い。そんなやりかたでは、職員が戦力になるかどうかは博打のようなものにしかならない。育つも八卦・育たぬも八卦といったろころだろう。
せっかく縁あって雇用した人を、そのような状態で現場に放り出してバーンアウトさせては余りにも勿体ないと思う。
貴重な人材が、長きにわたって法人の戦力となって活躍できるようにするためには、就業時にいかに職員育成のシステムに新人を乗せるかということが大事なのである。
そのためには実践的OJTに入る前に、「座学」による基礎学習が必要だとして、8/2に更新アップした「新入職員研修の座学で何を教えればよいのかという疑問に答える」という記事の中で、12日間のプログラムを具体的に示した。
当然のことながら新規採用された職員は、この12日間を経た後にはじめて介護サービスの場に出ていくわけであり、その間は介護実務に携わらない。・・・というよりこの間は、研修室から一歩も出ずに講義を受けて1日が終わるということを繰り返すわけである。
この状態を、「せっかく採用した職員を、12日間も利用者に対応させないのは、現場が回らなくなりませんか」・「12日間も講義だけでは、介護の場で働いている職員から苦情が挙がりませんか」と疑問の声を発する人がいる。
僕はその意味が分からない。
リンクを貼った記事に書いたように、この基礎研修は当初2週間10日間で行っていたが、伝える内容が増えたため12日間にプログラムを組みなおしたものである。それだけOJTに入る前に与えておかねばならない基礎知識があるし、年々増えているということだ。
たった12日間のこの研修で伝えるべきことをおざなりにしてしまうと、OJTで伝えることの理解度が低下し、介護技術がなかなか飲み込めず、介護実務がこなせないということが起こってくる。しかも介護実務を覚える個人差が非常に大きくなって、対応する職員によって大きくサービスの質に差ができるという問題が生じてくる。
実務根拠がわからないから、仕事のやり方を覚えるのが遅くなる新人がコンプレックスを抱き、いじけたり、自信を失ってしまったりする。
そんなふうに基礎知識がないことで、介護技術を理解できない人の中には早々とバーンアウトしてしまう人が出てきて、結果的に実務指導中に退職してしまう人が出ることにもつながる。そうでなくとも実務指導を終えても仕事を十分覚えられない人がいて、他の職員の業務負担が増えてしまうようなことも起きる。
根拠がわからずに見よう見まねで介護実務をこなしている人は、介護事故を起こす危険性も内包したままである。自信がない状態で仕事をこなしている人が、長くその仕事を続けられなくなるのも当然だ。
このように、基礎教育をおざなりにして新人を早く介護実務の場に置いても、人材は定着しないのである。なおかつ実務指導をしなければならない期間が長くなってしまうために、他の職員の業務負担は減るどころか増えることになってメリットは全く感じられない。
募集に応募する人を増やすために介護コンサルタントにお金を支払って、実際に応募者が増えても、それと同じ数だけ退職者数が増えて人材不足がちっとも解消されない介護事業者は、ほぼ座学による基礎教育をおざなりにしている事業者である。
だからたった12日の座学期間を、「そんなに長く介護実務の場に出さないのは勿体ない。」と考えるべきではないのである。
きちんと座学期間を取っている介護事業者では、「もっとその期間に、基礎を教えてから新人を現場に出して。」という声も挙がってくる。場合によっては基礎座学の期間が足りないのではないかという意見も出される。
新人指導を担当するリーダー職は、それだけ座学で基礎知識を教えている職員の方が、OJTがやりやすくなると実感しているのだ。
介護サービスの質が高く、職員の定着率が高い介護事業者は、新入職員に対する基礎知識を学ばせる座学時間をしっかりとっているのである。
人材不足を解消したいと思っている介護事業関係者の方々は、募集に応募する人がいかに増えるのかを考える前に、縁あって採用できた人が安心して長く働くことができるための基礎知識をしっかり獲得できる方法を、一番最初に考えるべきなのである。
キャリアパスを含めた待遇の向上は大事だが、その基盤となる安心して介護ができる人材育成法を考えないところには、良い人材が張り付いて定着しないことを理解すべきである。
なお基礎知識をレクチャーする座学を担当できる職員がいないという方は、是非相談してもらいたい。12日間のプログラムを示した記事に書いた座学のうち、介護マニュアルと法人の独自ルール以外のすべての講義は僕もできるので、場合によっては基礎座学を担当することもできるので、気軽に相談していただきたい。
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ただ採用時座学が連続して行われると座学修了後、現場に配属される前日もしくは当日に退職の意を伝えられ、その後有給を消化し退職するいう例が何度かありました。
2か月分の給与を丸々もっていかれました。
計画的に行なっているのではないか、口コミでこのような方法が拡がっているのではないか、そう思わせる人物もいました。
もともと、そのつもりでしたらアルバイトをするより、楽で収入もいいですし。
予防策として座学と現場の研修を交互に行うことを提案します。
masa
がしました