介護事業者の最大の悩みは、「人材確保」である。日本中どこに行ってもそれは変わらないし、ここ何年も言われ続けていることでもある。

人材が足りない・人材が居ない・人材が定着しないという悩みから、理想とする介護事業の質が担保できないと悩む経営者や管理職は星の数ほど存在する。その悩みをどう解決したらよいのだろうか。

良い人材は湧いてこない。偶然張り付いてくることも期待薄である。だからこそ介護事業経営では人材を育てて定着させるということが最重要課題であり、必要不可欠な視点でもある。

優秀なチームを作るには、監督だけではなくプレーヤーと一緒にプレーするリーダーが必要になる。介護事業者においてもそれは同じく云えることで、経営者や管理職がいくら優秀であっても、介護サービスの場で働く職員のリーダー役にスキルがないと、人材は育たないし定着しない。

だからこそティーチング指導する)だけではなく、コーチング相手に考えさせる・気づかせる)ができるリーダーを育てる視点が、介護事業者の経営者や管理職には求められる。

そうしたリーダーがいることは、将来職場の人財となり得る人材を育て、定着させることにもつながる。

なぜなら介護福祉士養成校の卒業生が口にする、定着しない職場の特徴とは、「介護技術を教えてくれない。」・「根拠のない指導に終始する先輩しかいない」・「経験則だけで仕事の手順を教えるだけの先輩しかいない」・「感情的に怒ることを指導と勘違いしている人が多い」というものであるからだ。

介護職の魅力や、やりがいを伝えられ、仕事を教えるのがうまく、後輩を引っ張っていく人望もあるリーダーがいる職場の定着率は高い。逆に頼れる先輩がいない施設に入った結果、すぐに仕事が嫌になって辞めてしまう新卒者も多いのである。
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だが経験を積んだ職員であれば、誰でも新人教育ができるわけではないし、努力すれば誰もが優れたリーダーになれるとも限らない。

教育という行為には向き・不向きがあり、介護実務に長けた人が教育役として適しているとも限らない。特に指導を受ける人に対して、感情的に怒りをぶつけるタイプの人間に教育役は向かない。そしてそうした性格は容易に変えられるものではなく、特にある程度年を取った人の性格は変わらない。

ではどのようにすれば新人教育に適した人材を見つけられるのか。僕の場合は、外部研修に参加した際の伝達講習の結果でその評価を行うようにしていた。参加した研修の要点を、伝達講習という場で他の職員にわかりやすく伝えられるのかが教育係としての第一関門である。

そこである程度評価できた職員は、新しい職員が入職した際の研修講師役を務めることになる。

入職時研修については、「新入職員研修の座学で何を教えればよいのかという疑問に答える」という記事で紹介しているので参考にしてほしい。

入職時研修は大事な新人研修であるが、内部研修でもあるので、講師を務める職員の伝え方が拙い場合は、指導役の職員がフォローできる。そのため講師デビューには最適の場なのである。

僕は入職時研修のすべての講義に参加するようにしていたので、僕自身が講師初体験職員のフォロー役を務めていた。

新人に講義するという役割は、OJTに移行した以後は、教えたことを実践できるスキルがなければならないので、自分の実践スキルを確認したり、高めたりする必要もある。将来にわたってリーダーとなり得る職員は、その役割を自覚して自分を高める努力をすることになる。

ここからリーダー役になっていく職員はスタートし、育っていくのである。

こうした見極めを行いながら下記のスタッフ指標を用いて、それぞれのスタッフのレベル評価を行い、そのレベルに見合った役割を与えるのが、人が育つ職場の条件だと考えている。
スタッフのレベル指標
それが高品質で優良な介護サービスの品質にも繋がっていくのである。

どうかそのことを理解して、自前で優秀なリーダーを育て、そのリーダーによって優秀な人材を育て、定着させる職場づくりに努めていただきたい。

それができれば、あなたの職場の未来は明るい。
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