2024年の介護報酬改定の本格的議論は、来年から始まることになる。
そこでは現時点で、「科学的介護推進体制加算」のない居宅介護支援・訪問介護・訪問看護にも、その加算が新設される方向で検討されている。
また全体を通して、LIFEへの情報提出を算定要件とする加算が増えることも予測されている。
どちらにしても今後の介護事業は、LIFE関連の加算が新設されたり、各種加算の最上位加算にLIFEへの情報提出要件が付けられていくことになり、それらを積極的に算定しないと事業経営が成り立たなくなるといってよい。
ところで今現在、「科学的介護推進体制加算」の算定割合は、特養で62%・通所介護で49.2%(全国老施協調査結果より)にとどまっている状態である。この数字は決して高いとは言えず、加算算定をしていない事業経営者の危機感は足りないのではないかと思われる。
今からきちんと、「科学的介護推進体制加算」を算定し、LIFE要件に習熟したうえで次の報酬改定に臨み、事業者内でLIFEへの情報提出をルーチィンワークとする意識改革を行って、次期改定では新加算を丁寧に算定していくという心構えがないと事業経営に行き詰まりかねないと心配になる。
2021年からの3年間は、次の報酬改定に備えた準備の期間でもあることを忘れてはならない。
加算算定のハードルともいわれる、「フィードバックのPDCA活用」も、実際にはさほど高いハードルではないことは、昨日の記事で解説している。できるだけ早い段階で、すべての施設・事業所がこの加算を算定してほしいと思う。
ところがこの加算を算定していない事業者担当者の中には、利用者全員分の情報を定期的にLIFEへ提供しなければならない業務負担が大きく、そんなことができる余裕がないという人がいる。
しかし、「入力作業の業務負担」なんて本当に問題となるほどの業務量なのだろうか?はなはだ疑問である。
なぜならLIFEは、介護業務ソフトから作成された CSV ファイルの取り込み機能を有するからである。
各事業所がインターネット回線にて LIFEに接続し、介護業務ソフトから LIFEクライアントアプリケーションに共通インターフェースを介することにより、CSV ファイルの取り込みができるようになっているのである。
これによって各介護事業者が使用している請求ソフトなどの情報が、そのままLIFEへの提出情報として取り込まれ、手作業でデータ入力する作業時間は極めて短時間で済むことになるはずだ。
よって入力業務が高いハードルになっているとしたら、この機能が十分に生かされていないという意味だ。
先週金曜日に、メディカルサポネットの「ケアサポネットオンラインサロン」に参加したが、そこで講師を務めた、「小濱介護経営事務所」の小濱道博代表によれば、「厚労省は、LIFEに入力すべき情報は、介護ソフトから100%取り込むことが可能と言っている」そうである。
そしてデータ取り込みが不十分である原因と理由は、使っている介護関連ソフト側の問題であり、お金がかかっているソフトはそれなりに情報をきちんと取り込むことができる状態だということだ。
厚労省のLIFEの検討委員会に参加していたベンダーは2社であったそうだが、金曜日のオンラインサロンには、そのうちの1社のソフトを使っている人が参加しており、データ送信作業について情報提供してくださった。
それによると、その介護ソフトではほとんどのデータがCSV ファイル取り込みによって、LIFE提出情報として自動入力されるので、情報提出月に60人の利用者のすべてのデータを送信するための作業は2時間かかっていないそうである。つまり一人の利用者データの入力時間は2分未満ということだ。それなら業務負担というほどのことではない。
ということはデータ取り込みが不十分で、手作業での入力作業に時間と手間がかかっているという事業者については、使用している介護ソフト(請求ソフトなど)の入れ替えを検討すべきかもしれないという結論に達する。
LIFEは介護保険制度が続く限りなくならない。そのためLIFEへの情報提出は、介護保険事業を続けていく限り避けられない。そして今後安定した介護事業経営を続けるためには、情報提出を要件にした加算を今より多く算定しなければならなくなるのである。よって、いちいち手作業でデータを入力し、その作業に数日要するなんて状態が続くと、事業経営困難なりかねないのである。
そして今後新規参入する介護事業者や、ソフトを更新しようとする介護事業者のソフト選びのポイントは、LIFEの情報提出のためのCSV ファイル取り込み具合が、選択の大きな要素とならざるを得ないのである。
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当法人ではワ〇〇〇ンのシステムを利用しています。
データを全て入力を終えた後、エラーをチェックしてCSVファイルに統合(変換)する作業自体はまあ5分もあればできますので、LIFEに提出する作業は簡単です。
問題はそれ以前の、システムに必要なデータを全て入力する時間が膨大である事です。
項目ごとに入力する箇所が全て異なる為、システムの中を行ったり来たりしなければならないのがかなりの手間になりますね。
masa
がしました