先週金曜日に、メディカルサポネットの「ケアサポネットオンラインサロン」に参加して、LIFEのフィードバック正式版の提供が始まったことについて勉強させていただいた。

正式版といっても事業者フィードバックだけで、利用者フィードバックは行われていない。

正式版の事業者フィードバックも、全国平均値と事業者がLIFEに送った数値の比較しかされておらず、暫定版との違いは比較項目が細分化されているだけである。

このフィードバックをどうPDCA活用したらよいのだろうか。というのも科学的介護体制推進加算については、LIFEに情報提出するだけではなく、フィードバックをPDCA活用しなければならず、「検証結果に基づき、入所者の施設サービス計画を適切に見直し、施設全体として、サービスの質の更なる向上に努める(Action)」とされているからだ。

このActionの具体策を考えて実施しなければ、加算返還指導を受けることになるので、その方法を考えねばならない。

このことを考える前に、下記の図を見ていただきたい。
フィードバックのPDCA活用の例
この図は、2021年度の報酬改定前に、介護給付費分科会の資料の中で示された図で、「事業者フィードバックの具体例」を示したものだ。

ただしこの図は国の介護データベースがLIFEに替る前のCHASEの図である。そのためCHASEをLIFEに修正している。(※CHASEなんて言葉を知らない人もLIFEを利用するようになったため

さらに一番下の、「ADL値と排泄状況の因果関係を抽出したケース」という解説は、僕が挿入追加したものである。

ここではADL状況に比べて、排泄が自立していない利用者が多い老健に、排泄介助の方法を改善するようにフィードバックされた例が示されている。

これに対してフィードバックを受けた老健は、フィードバックされた内容を施設内で共有し、排泄介助の方法を全体的に見直したり、おむつに排泄している人の施設サービス計画を見直すなどを行い、そのことが記録されておればPDCA活用できていると判断されることになる。

今回正式版となった事業者フィードバックは、図のような介護の方法と結果の因果関係を結びつけるような内容にはなっていなう。(※厚労省は将来的に、こうしたフィードバックを実現させようと考えているが、できるかどうかも不明・・・。

今回、正式版フィードバックの提供に際して国は、「各事業所において、可能な範囲でご活用ください」と活用方法は介護事業者に丸投げする通知を出している。

だからこそ介護事業者は、正式版フィードバクを、どう事業に生かしていくかを自らの知恵を働かせて決めなければならない。どちらにしても正式版のフィードバックを行っていないと、LIFE要件がある加算を算定できなにのである。

だがこのことはさほど難しく考える必要はない。フィードバック内容を事業者内で共有すればよいのだ。

もっと具体的に言えば、正式版のフィードバック内容について、全体会議棟でその内容を職員に周知し、どの数値が全国平均より上回り、どの数値が下回っているかを確認することが求められる。

特に全国の集計値と比較して、事業所の数値が著しく低い項目は、ケア改善の必要性が高い項目という意識を事業者全体で共有することが大事で、改善に向けた新たな対策を釣ることができるなら、それも記録しておくことが大事になる。

なお僕はこのフィードバック内容は、事業所の傾向や特徴を把握し、他の介護事業所との差別化を図ることにもつながるとポジティブに捉えている。

また利用者の個別データは事業者内になるのだから、ケアプランの変更同意の際などに、利用者のデータと全国の集計値を比較し、家族への説明に用いることも有りかなと考えている。本人の生活能力が一般的な数値と大きく乖離していないかということを家族に伝えることができるからだ。

さらに利用者データで、全国平均値より上まわる項目は、生活能力が維持できている本人の強みとして、下まわる項目は手厚いケアが必要な改善点として説明することで、家族は利用者の現状を理解し、事業所のサービスに信頼を寄せられるのではないだろうか。

そんな活用も有りだと思う。だからPDCA活用なんて決して難しくないので、そのことが障害になって科学的介護体制推進加算が算定しづらいということもないのだ。

いや問題はそれではなく、データ入力作業が煩雑で時間がかかるせいだという人がいる・・・。それも違うということは、明日6/29更新予定の記事で証明しよう。明日もお楽しみに・・・。
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