2020 年は新型コロナウイルス感染拡大防止のため世界中で出入国制限が敷かれ、人の移動が大幅に制限された。
そのため日本の外国人労働者数は、20 年には前年比での増加幅が大きく縮小したが、医療・福祉分野ではこれが拡大したそうである。
当然、介護事業者で働く外国人労働者も増えている。
昨年の状況はまだ確認できていないが、長期化するコロナ禍の影響で外国人介護人材の増加幅の縮小が見られたとしても、それはあくまで一時的問題で、今後しばらくは外国から日本の介護事業者に就職しようとして来日する人の数は増え続けるだろう。
介護福祉士養成校に入学する外国人数にも同様の傾向が現れている。
日本介護福祉士養成施設協会調査によると、2020年4月に介護福祉士養成施設へ入学した外国人留学生(介護留学生)は2,395人と過去最高人数となり、入学者全体の34%を占めている。コロナ禍の影響で、2021年はその数が2.189人と減ったが、減少は最小限にとどまっているとも言え、今後はコロナ禍の終息と共に、さらに外国人入学者が増えることが期待される。
仮にその予測が外れ、外国から日本の介護事業に就職する人材が増え続けないとしたら、日本の介護は崩壊するかもしれない。
なぜなら我が国では2042年まで後期高齢者数が増加し続けると予測されているからだ。
当然そうなっると介護を必要とする人も今以上に増えることになるため、それらの人々の暮らしを支えるために介護人材を、2040年度までに2019年度時点と比べて約69万人を追加で確保しなければならないと国は試算している。
しかしその確保は非常に厳しい状況にある。生産年齢人口の減少が止まらず、予想を超えて減っているからだ。
しかも2039年には団塊の世代がすべて90歳に達し、団塊の世代を支えてきた次の塊である団塊ジュニア世代がすべて65歳以上に達することになる。しかし第3次ベビーブームがなかった我が国では、団塊ジュニア世代に続く塊の世代がない。
そのため2042年以降、後期高齢者や要介護者の数は減っていく過程で、必要とされる介護サービス資源の量は、今より少なくて済むことになるが、それ以上に生産年齢人口が減ってしまうために、今よりさらに財源と人材が不足するのである。
そのため国は、医療・介護データを活用した重症化予防や科学的介護の重要性を訴え、ICTをはじめとしたテクノロジーを活用した介護業務の効率化を実現しようとしている。介護事業において生産性向上が求められるのも、人が少ない状態で必要なサービス量を確保するために必要だからだ。
しかし身体介護の大部分は人間によって行われる必要があり、人に替わって介護ができるロボットが存在しない以上、何らかの手段で介護人材を増やしていく必要がある。これはもう日本人だけでは無理なので、外国人労働者の数を今以上に増やし、介護の場の戦力となってもらうしかないのだ。
そうしないと介護を受けることができない、「介護難民」が大量に発生する恐れがあるのだ。
だから2017年9月〜入管法を改正して、在留資格に「介護」を加えることによって、外国人が介護福祉士として在留資格を得られるようにしたうえで、在留期間の5年が回数制限なく更新できるようにして、実質外国人介護福祉士は日本に永住できるようにしたわけである。
その影響で日本の介護事業者で働く外国人労働者数と、日本の介護福祉士養成校に入学する外国人留学生の数が増えているわけだ。
それらの方々が、できるだけ長く日本の介護事業者で働いてくれるかどうかが、今現在から今後の大きな課題となっているといえよう。
では外国人介護人材を受け入れる日本の介護事業者は、どんな点に注意し、どのように外国人の介護人材を育成・定着させていけばよいのだろうか。
今日の記事は長くなったので、そのことは明日の更新記事で書き綴ることにしようと思う。(※外国人介護人材を育成・定着させるために必要なことに続く)
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