IT環境整を備したいと考えている介護事業者向けに、どんな補助金を活用できるのかを解説するオンラインセミナーを、(株)内田洋行が無料配信するそうである。

配信日時は6月24日(金)14:00〜15:00となっており、こちらから申し込みができる。

無料で視聴できるセミナーで、補助金を活用できる方法が見つかるかもしれず、見て損はないだろう。興味がある方は是非、申し込んでいただきたい。ただし講師は僕ではないことを了承していただきたい。
IT環境整備
介護事業者もこのようにIT環境整備は不可欠な世の中になっている。

とはいってもアナログ対応をすべて、『前時代的』と切り捨てることが良いことなのかは疑問だ。ということで今日の本題はそちら・・・。

介護事業においても、IT環境整備による職場のデジタル化が重要だといっても、政府の、デジタル臨時行政調査会が、介護保険制度に関係してくるとは思わなかった・・・。しかし6/3の同会資料を読むと、決して無関係ではないことがわかる。

介護事業におけるスタッフの常駐・専任を課す職場のルールが、代表的な"アナログ規制"に位置付けられて、改革対象となっているのだ。

そのため一括見直しプランに、介護事業所の管理者の常駐を改めることを「確定事項」として明記している。(※こちらの9ページ)

このことに関しては、資料7-2 (別紙)17頁も参照しておくとわかりやすい。

そのため次の制度改正・報酬改定時には現行の運営基準を改正し、利用者に直接関わらない業務はテレワークが可能なことを明確に定めるなど、必要な措置が講じられることになる。

対象のサービスとしては、訪問介護や居宅介護支援、福祉用具貸与などが挙げられているが、さらにその種別は拡大する可能性が高い。

もともと施設長・管理者というのは、介護実務を行うことが主たる仕事というわけではなく、経営や運営に関する業務を行うのが主になるのだから、介護実務の場にいる必要はない。むしろ外部の機関とのやり取りなどをスムースにこなせる環境にいた方が良いのだから、これは歓迎すべき改正ではないか。

また特養や老健に、「置かなければならない」とされている事務職員についても、人員配置基準を緩和し、例えばテレワークなどが可能なことを明確にする方針を打ち出している。

ただこれは少し心配である。僕個人の経験で言えば、特養の事務員というのは事務の専門家であると同時に、よろず対応役である。

時には利用者の通院等の運転業務に、時には利用者の様々な日常品の修理屋さん役としてなど、マルチな対応ができる万能職種として活躍している人が多いのではないか。そこに居ることで、施設利用者の方々の日常対応に欠かせない役割をこなす職員が、テレワークでしか対応できない存在になることで、利用者の生活の質に影響するだけではなく、介護職員の業務負担増加につながりはしないかという懸念も生ずる。

暮らしの一部分を切り取って介入できる居宅サービスと、暮らし全体に介入しないとならない施設サービスではここが異なるのだ。

時として、直接介護をしない事務職員は、介護サービスが提供される同じ空間に居てくれるだけで、ありがたい存在になるのである。だから事務職員のいなくなる介護施設を創ってはならないのだ。

このあたりは慎重に対応していただきたい。アナログがすべて、時代遅れ=いらないものというわけではないことを理解してほしい。

また利用者に直接関わる業務についても、運営基準を緩和できないか検討すべきとされている。

それらも今後、厚生労働省の審議会などで具体策をめぐる議論が進められることになるが、これは諸手を挙げて歓迎できる問題ではない。

既に制度改正議論では、ICTなどの機器導入による配置基準緩和が検討されているが、そのことは介護の場で働く人々のニーズと一致していないし、安易に配置基準緩和を進めてしまえば、ケアの品質が劣化せざるを得ないだけではなく、介護職員の業務負担増加とバーンアウトにつながりかねない問題であることは、このブログで何度も指摘している。(参照:介護労働を舐めている経団連

人と人との関係や、人と人とが向かい合って心を通じ合う仕事は、アナログ対応が望まれることも多いのだ。便利なデジタル対応では生まれない結果が、不便であるけれど、その不便さが心地よいアナログ対応には存在するのである。
誰かのあかい花になる介護
対人援助という仕事においては、便利・不便では割り切れない部分や、割り切ってはならない部分が含まれていることを決して忘れてはならない。そもそもアナログは規制すべきものというわけでもないと思う。

もっとアナログ対応の温かさとか、優しさを感じ取れる世の中が心地よいのではないだろうか。

それを忘れてしまった時に、私たちは人として大事な何かを失ってしまうかもしれない。そんな危機感を僕は心のどこかに抱いている・・・。

それは前時代的人間で、現代のスピード感についていけない者の、負け犬の遠吠えなのだろうか・・・。
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