認知症に対して、現在医学の手はいまだに届いていない。
だからこそ生活習慣の改善など、日常生活の中での認知症の予防が重要視されている。
同時に医学の手が届いていないところにも、介護の手は届く場合があることにも着目する必要がある。私たち介護関係者は、そのことを理解したうえで、正しい手の届かせ方を常に学び取っていく必要がある。
では介護の手が届く部分とは何だろう・・・。
記憶障害・見当識障害、理解と判断力の障害・実行機能障害・感情表現の変化という認知症の中核症状には介護の手も届かないが、BPSDと呼ばれる行動・心理症状には手が届くのだ。
ちなみにBPSDとは、Behavioral and Psychological Symptoms of Dementia(ビヘイビオラル アンド サイコロジカル シンプトム オブ ディメンティア)の略で、舌を噛みそうだからBPSDとしているのだろう。しかしそれでは日本人には意味が分からない。
過去に周辺症状といわれていた行動には、徘徊や攻撃的行為などの「行動症状」と、妄想や幻覚・誤認などの「心理症状」の2面性があるという意味なのだから、BPSDの日本語訳は、「行動・心理症状」ということになる。
僕は舌が短く滑舌も決して良くはないが、「行動・心理症状」と表現するのは何の苦労もないのだから、できるだけ意味の分かるそちらの表現をしようと努めている。
行動心理症状は、中核症状が背景にあってそれに加え何らかの要因により混乱が生じることにより、それがストレスとなり、不安感・焦燥感として現われるものだ。

(※安達祐実さんが、若年性認知症の主婦を演じて話題になった「にじいろカルテ」の1場面)
例えば運動能力が衰えていない認知症高齢者によくみられる「徘徊」は、今ここは自分がいられる場所ではないと感じているるような、「身の周りの小さな危機」が存在するという訴えの結果である。
つまり理由がなく歩き回るのでないのだから、本来は徘徊と呼ばずに、「歩き回り」と表現した方が適切ではないかと個人的には考えている。
そうした混乱を引き起こす、「認知症を生きる不自由」を理解して、認知症の人に関わる必要がある。
同時に認知症と健忘(生理的老化)との境にあると言われる、「軽度認知障害(MCI)」の存在と、その人たちが認知障害のない状態まで回復する可能性と、その方法論をも学んでいく必要がある。
すべての介護関係者が、その部分の正しい知識を得るだけで、認知症の人や軽度認知障害の人は、随分暮らしやすくなるのである。地域社会の中で、温かく見守られて生きることができるのだ。
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