本日午前5時に、CBニュースの連載・masaの快筆乱麻が更新され、「居宅介護支援費の利用者負担、逆効果の懸念」という記事がアップされている。今後議論される制度改正・報酬改定の方向性等も含めて書いているので、是非そちらも参照願いたい。
さて昨日4/26に更新した記事の中で、「とある有料老人ホームのコンサル業務に出かけた」ことを書いた。
今回のコンサルタント内容は経営コンサルというより、人財マネジメントに関連するコンサル業務である。もっと具体的にいうと、この4月に就職したばかりの新入職員の心の健康度をチェックするための仕事だ。
皆さんの職場では、そうしたチェックをきちんと行っているだろうか。今月入職した新人さんで、表情が暗くなっているや、表情を失った状態で業務を何とかこなしている人はいないだろうか。
実はこの時期の労務管理として、心の健康状態や精神的なダメージをチェックしておくことは、新人の定着率にも大きく影響する重要な対策なのである。
この時期から5月病と言われる『うつ』の症状が出てくる人がいる。症状が出始める前に、何らかの兆候が見られる人も居る。この点を把握できるか、見逃してしまうかが大きな分岐点である。心も体も疲れを感じやすい時期が今なのである。
仕事のやりがいを感じられない中で、世間は休みの中で自分はシフトの中に入って働く状態がストレスを倍加させる状況もよく見られることだ。
GWはシフト勤務者には関係のないことだと言っても、事業者全体でみれば事務関連職員等が休暇に入り、直接介護職員もいつもよりさらに少ない人数で働く状態になっている事業者が多い。
そのような中で、普段より多くの業務をこなさねばならない状況が生まれたり、新人であるにもかかわらず、自ら責任を負った状態で業務に就かねばならない場面が生まれたりする。その中で自分のやろうとした仕事ができなくなったり、思った以上にできないことが多いと感じてしまうことで、うつ状態は進行していくことが多いのである。
同時に世間の人々が連休を愉しんでいる情報があらゆるところから入ってくると、仕事に悩みを持ち始めた自分が、世間の人が楽しんでいる時期に悩んでいる姿にイラついたり、ストレスを感じる状態となり、それが高じて絶望感を抱くことになる人が少なからずいる。
それがことによってうつ状態になったりするケースが数多くみられる。
世間が連休中に、仕事に行くために朝起きることができなくなってしまったり、周囲の人が何とか起こしても、何かと理由をつけて職場に足を向けようとせず、結局そのまま退職してしまう人も必ずこの時期に見られているのだ。
だからこそ暦の上での連休前の今この時期に、新人さんの表情変化を見逃さず、カウンセリングに結びつけることが重要である。・・・ということで例年この時期に、ある介護事業者さんから新人面談の仕事を依頼されており、毎年チェックに入っている。
そこでは悩みを聴くだけではなく、希望を注入することを心掛けている。
志の高い新人ほど、この時期頑張りすぎてバーンアウト状態に陥る人が少なくない。
それを防ぐためにセルフチェックとセルフケアが必要になるというが、そんなことを自らできる人は少ない。学卒者ならほぼできないといってよいだろう。できもしないことを推奨したって問題は解決しないのだ。
だから新人職員に対する労務管理として、職場の責任として心の健康度を測って、問題がある部分を取り除く必要があるのだ。その際には新人職員全員に対する面談が不可欠になるのである。
というのも仕事に対するモチベーションが高まり、希望を胸にして働き続ける人の動機づけと、仕事に悩んで絶望の淵に追い込まれる人のきっかけは、ほとんど違いのない状況の中で別れていくのである。この時期にどのようなフォローができるかが両者の違いであることが多いので、重要性は高いのである。
今回チェックに入ったところは、職員の心身両面の健康を守るという意識が高いから僕にコンサル依頼をしているのであり、日ごろから対策も講じられているために特段の問題はなかった。
というより面談した職員の方々からは、こうした上司ではない第3者による面談機会があり、いつでも相談ができることで安心感をもっているという意見が多かった。一安心である。
ただし油断は禁物である。最低でも1年間は新人職員として、心身両面のフォローが必要だ。
特に夜勤シフトがある職場であるならば、一人立ちして夜勤を行うようになる前後で、「不安」がないかどうかの確認と、それに応じた相談援助を実施することが大事だ。
大切な若い芽が、周囲の無関心と無理解によって、芽のまま摘み取られないように、細心の注意を払って、きれいなを咲かせることができるように、手を差し伸べていきたい。
誰かのあかい花になるために・・・。
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