介護支援専門員を対象にした研修会は、どこの地域でも数多く行われているが、その8割方は、居宅介護支援事業所の介護支援専門員を対象にした研修か、居宅サービス中心のケアマネジメント研修である。
施設の介護支援専門員のみを対象にした研修会や、施設ケアマネジメントに特化した研修会を開催しているところは意外と少ない。
それは施設のケアマネジメントは、介護保険制度ができる以前は相談員の業務となっており、介護施設対象の研修会のうち、相談援助職を対象にした研修の一部に、施設ケアマネジメントを組み入れていることも多いことが原因の一つになっているのだろうと思う。
そもそも施設の介護支援専門員に特化した講義を行うことができる講師も少ないという現状があるのかもしれない。そういう意味では僕は、その分野では貴重な講師の一人とされているのかもしれない。
僕自身は、介護保険制度以前から特養の相談員を務めており、介護保険制度以後は相談員兼任の施設介護支援専門員業務に携わりながら、相談室長として施設相談員と介護支援専門員の業務分掌や、施設ケアマネジメントのシステムと方法づくりの指揮を執ってきた。
それと共に居宅介護支援事業所を併設する準備段階からその立ち上げに関り、居宅介護支援事業所の指定を得るための業務をほぼ一人でこなし、指定を受けた後は、居宅ケアマネのスーパーバイザーとして指導・教育にもかかわってきた。
そのため介護保険制度上の施設サービス計画と居宅サービス計画の法的位置づけの違いや、共通事項等にも精通している。両者の法令上のルールの現状や、過去のルールの変更の流れも熟知している。
その実績を生かして介護保険制度が施行された後から今までの22年間、居宅ケアマネ・施設ケアマネの両方を対象とした研修会の講師を数限りなく務めている。
今年度も既にいくつかのケアマネ向け研修講師を務めているが、この度、介護労働安定センター東京支部主催・港区施設ケアマネジャー向け研修としてオンラインで講演を行うように依頼を受けた。
研修対象者は、都内港区の施設介護支援専門員ということだそうで、施設ケアマネジメントに関する内容で、「アセスメントの目的を理解し、個別に応じたアセスメントが実践できるように目指す」ことを目的とした講演を依頼された。
介護支援専門員の実務に就いてる人で、「アセスメント」ができないという人はいない。施設サービス計画の作成の際もそれは必須である。
しかしアセスメントを行っているという意味が、単に施設で使用しているアセスメントツールの穴埋めを行っているだけの状態に陥り、計画内容とアセスメントが連動していなかったり、アセスメント結果が反映されていない計画書は決して少なくない。
さらに言えば、施設サービス計画に沿った介護が行われているかどうかも問題である。計画に沿ったケア実践の前提は、介護職員が計画内容を知っていなければならない。そのためには計画書が読まれなければならず、読みやすく理解しやすい計画内容とすることも重要である。
そうであれば最も大事なこととは、アセスメントが形骸化されずに、真の利用者ニーズを引き出して、それをプランに落としているかどうかだということになる。阻止れその計画書は、十分に介護実務の場に伝わる内容になっているかも問題だ。
サービス計画書の標準様式が変更された際に発出された、「介護サービス計画書の様式及び課題分析標準項目の提示について」の一部改正について(令和3年3月31日)においても、『課題分析の結果として、「自立支援」に資するために解決しなければならない課題が把握できているか確認する。』・『課題分析の結果を踏まえた上で、第2表につなげていくことが必要です』などと、アセスメントの在り方に関連した指摘がされているところである。
さらに第2表の記載に関して、『具体的な方法や手段をわかりやすく記載する。』として、文章力が問題である点を噛んで含んで説明するように指摘している。
それらを踏まえたうえで、改めてアセスメントとは何ぞやという本質に触れる講演を行いたいと考え、『アセスメントを考える〜その目的と実践に生かす方法論』とテーマ設定した。
ということで介護労働安定センター東京支部主催・港区施設ケアマネジャー向け研修は、9月7日(水)18:00〜20:00・Zoom配信予定である。
それでは港区の施設ケアマネの皆さん、当日は画面を通じてお愛しましょう。よろしくお願いします。
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