やっと春が来た感がある登別。外の気温もやっと春らしい温かさを感ずるようになり、家の近くの桜も芽吹いてきている。
この陽気に誘われ、寒さと道の悪さを理由に冬の間中断していたウオーキングを今週月曜から再開している。僕の家は登別と室蘭の境にあるため、ウオーキングコースは室蘭市が中心ということになるが、東室蘭と言われる地域・室蘭市中島中を歩いていると、満開に近い桜の木があった。

今年の桜は、いつもの年より1週間ほど早い開花のようである。
この後、続々と登別・室蘭市内のエゾヤマザクラが満開となっていくことだろう。僕のインスタグラムには、しばらく桜だよりが載ることになりそうだ。興味のある方は、友達申請してそちらもご覧になっていただきたい。
さて話は替るが僕は現在、フリーランスとして講師業・作家業などを主たる仕事にしている。さらに介護事業者と顧問契約やコンサルタント契約を結んで、定期的に経営相談に応じたり、職員研修を担当したりしている。
そのため、この時期は新年度の事業経営に関わるコンサルタント業務などのために、契約を結んでいる介護事業者を訪ねて、そこで1日かけて業務を行うことも多い。
先日も1日がかりで近くの介護型有料老人ホーム(特定施設)にお邪魔して、コンサル業務を行ってきた。
この時期に、こんなふうに介護事業者を訪問して感じることは、教育・指導の違いによる職場風土の違いである。
昨日お邪魔した有料老人ホームは、今月からそこで働きだした新人職員の方々が、楽しそうに元気に働いておられた。僕がお邪魔した際にも、そうした職員が元気に挨拶してくれた。
それは極めて当たり前の状態といってよいのだが、介護事業者を訪ねた際に、来訪者の僕と出逢ってもまったく挨拶もなく、声もかけてくれないという職員がたくさんいる事業者もある。職場全体が挨拶を軽視して、教育もしていないのだろう。
往々にして、そうした挨拶ができない事業者の職員は、利用者対応も横柄だ。タメ口対応がそこかしこで行われており、サービスマナー教育なんか受けていないのだろうなと感ずる。
それに比べて先日お邪魔したところの職員は、僕のような外来者に対する応接が丁寧なだけではなく、利用者に対する応接も丁寧だ。タメ口対応なんて使われておらず、入職間もない若い職員が利用者に対して普通に、「かしこまりました」と応接している。
挨拶ができるという、ごく当たり前のことを徹底している事業者は労務管理が行き届いているということだろう。『たかが挨拶、されど挨拶』といってよいのだろうと思う。
それは礼儀の基本であり、職場では礼儀をもって上司や先輩、そして何よりお客様である利用者に接するのが当たり前であるという意識を持たないと、いずれ顧客から見放されるという事態に陥りかねない。
この時期に、相手を選ばずに丁寧な言葉が流暢に使えるのは、単にサービスマナー教育を受けているということだけではなく、その職場の風土として丁寧な顧客対応が当たり前になっており、8大接客用語も日常的に使われているという意味だろう。(参照:職場全体でサービスマナー向上に取り組んだ成果)
新人教育を担当する職員のみならず、すべての職員の利用者対応・サービスマナーがお手本になっているからこそ、こうした短期間に丁寧な言葉遣いで、自然に顧客対応ができるようになっているのだと思う。
職場風土がいったんこのように整えられてしまえば、後輩は先輩の背中を見るだけで自然と育っていくのだから楽である。

ただし組織風土は、整えるのには時間がかかるが、崩れるのはあっという間である。
一部の職員のなれ合いを許したり、崩し言葉を少しでも認めてしまえば、せっかく整った組織風土はいとも簡単に崩壊してしまう。管理職の役割とは、そうした崩壊の予兆を察して、自らの職場のどこかに、割れ窓が生じていないかを探り、もし窓が割られていることに気がついたならば、できるだけ小さなひび割れのうちに、その窓を修繕しておくことである。
組織を護るために、「介護サービスの割れ窓理論」を理解し、それを決して忘れないようにしてほしい。
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