登別の桜は、GW前から咲いていた木は葉桜になっているが、今が満開の木もたくさんある。これから遅咲きの八重桜も咲きだすころで、もうしばらく桜を愛でることができそうだ。
5/11登別の桜
※画像は登別美園町の5/11の桜並木。
さて本題に移そう。認知症の発症率には性差があることを知っている人は少なくないと思う。

しかしその理由を知っている人は意外と少なかったり、知っているという人でも、その知識は間違ったものであったりする。

僕は介護福祉士養成校で、「認知症の理解」という科目を受け持っている身であるにもかかわらず、知っているつもりでいたものが、正しい知識はではなかったということも結構経験している。

学生に間違った知識をレクチャーしていないか心配になるので、思い込みがないように確認は怠れない。

そんなふうに昨日までの正しい知識が、今日は間違いだと指摘されることがあるのが、治療法も対応法も確立していない認知症なのである。

特に日本では認知症の人が大幅に増えてきており、対策が急がれている中で、その研究は日進月歩である。よって常に新しい知識を備える努力を続けなければならない。

認知症の発生率に男女の性差がある件についても、10年前の知識は現在では通じなくなったように思う。

例えば脳血管性認知症は、男性のほうが女性の1.9倍かかりやすいと言われている。それは脳血管性認知症は、脳血管障害(脳梗塞、脳出血、クモ膜下出血)によって引き起こされる症状だが、脳血管障害そのものに性差があって、男性の発生率が高くなっているからだ。

その原因も飲酒や喫煙などの生活習慣によるリスクを男性の方が大きく抱えるとともに、「高血圧」や「肥満」に関しても女性よりも男性の方が多くなっていることによる。そのことは割合よく知られているだろうし、このことは10年前も今も、「定説」として変わっていないと思う。

一方でアルツハイマー型認知症が、女性の発症率が男性の2〜3倍となっている件については、新しい定説が出てきたと言えるのではないのか・・・。

この原因について僕は、アルツハイマー型認知症の最も大きなリスクは、「加齢」であるために、平均寿命が高い女性の発症率が高いのであろうと単純に考えていた。・・・しかしどうやらそうではないらしい。というのも平均寿命に達しない時期の発症率から女性が男性より高くなっているからである。

ということで改めて調べてみたところ、この差は男女の生理の違いによるものらしいのである。

具体的にいえば、女性が男性よりアルツハイマー型認知症の発生率が高い理由は、閉経期後のエストロゲンの減少によるものではないかと推測されているそうである。

つまりエストロゲンがアルツハイマー型認知症のブレーキになっているという考え方である。

そのため閉経期からエストロゲン補充療法を行って、認知症の発生率を半分に減らすことができるという医学論文も存在している。(※ただしエストロゲン補充療法は、閉経期から2年以内に実施しなければ効果がないとも言われている。)

こうした研究が今後、認知症の予防につながる可能性もあるが、現時点では認知症を予防したり、治療できたりする治療法も薬も存在していない。エストロゲン補充療法も余り前進していないというのが本当のところだ。

アミロイド仮説(※アミロイドβ蛋白質の凝集がアルツハイマー型認知症の原因であるとする説)に基づく認知症の治療・予防薬の開発も、「永遠の10年」で解説したようにとん挫したままである。

しかし認知症の方々が引き起こす、「行動・心理症状(BPSD)」に対して、介護の手が届く部分は多々ある。

さらに認知症の発生率を大幅に減らすことができる可能性がある、「軽度認知障害(MCI)」の早期発見と機能回復についても、介護の手が届く部分がたくさんある。

そのことを含めて、最新の情報と知識を交えた認知症専門講座をオンラインで無料配信する予定になっている。
認知機能見える化セミナー5/28
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