3/24に発出された介護保険最新情報のVol.1049は、(介護保険最新情報Vol.958等の再周知)と注釈がつけられ、昨年3/31に発出した居宅サービス計画書の様式改正と、それに関連した発出通知について、より詳しく解説したものとなっている。

解説されているのはVol.958Vol.959Vol.957Vol.977である。(※通知については、Vol.1049で解説されている順に並べた

958とそれぞれの元通知を確認して、介護支援専門員に対して何が求められているかという理解に努めていただきたい。

それにしても、この時期に1年も前に変更された様式の説明通知を改めて発出した意味は何だろうか。

もしかしたら厚労省老健局内部で、昨年の通知内容が、ケアマネジャーに浸透・理解されていないという認識なり議論があるのかもしれない。

同時にここに書かれている業務の進め方を、厳粛に実施させたいという考え方があるのかもしれない。

昨年度末の改正通知では、第1表の項目の一つ、「利用者及び家族の生活に対する意向」という文章に、「を踏まえた課題分析の結果」という文章が加えられ、第2表以下のそれに伴う変更がされている。(参照:計画書標準様式の変更内容とその目的生活に対する意向を踏まえた課題分析課題分析の結果となっていないケアプランの例課題分析が希望をつぶすものであってはならない

第2表以下の変更については、主として計画書の文章の記載方法について、以下の点の注意を促していた。
・ 文章における主語と述語を明確にする
・ 共通的でない略語や専門用語は用いない
・ 曖昧な抽象的な表現を避ける
・ 箇条書きを活用する


そのうえで家族の支援や利用者のセルフケアなどを含む生活全体の流れが見えるように記載するなど、第三者が読んでも内容を把握、理解できるように記載することがくどいほど何度も指摘されている。

介護支援専門員の文章力が問われていることを理解しなければならない。同時に適切なアセスメントにおける生活課題(ニーズ)の把握もうるさく説明されている。

このことはケアマネジメントの適正さを問われ続けられてきた一連の流れの延長線上にあるものだ。

2015年度には、ケアマネジメント書式として課題整理総括表評価表が新たに加えられている。これらは作成義務を課せられなかったが、地域包括支援センターや法定研修を中心に活用することが促された。

2018年 10 月からは、統計的に見て通常のケアプランよりかけ離れた回数の訪問介護(生活援助中心型)を位置付ける場合には、市町村にケアプランを届け出ることとする義務が課せられた。

2021年 10 月1日以降に作成又は変更したケアプランのうち、市町村から指定されたものを市町村に届け出る義務も課せられた。(参照:新たなケアプランチェックの詳細が明らかになりました

時期改正(2024年度)では、福祉用具貸与のケアマネジメントがやり玉に挙がっている。(参照:福祉用具適正化議論の本質はケアマネジメント適正化議論だ
チェック
どちらにしても、技術があってそのあとに制度ができた医師や看護師とは異なり、介護支援専門員は技術の前に制度ができ、制度によって資格が新設されたという側面がある。

そのため専門資格者同士の評価ができる状態でき厚労省が指導できない医師と異なり、ケアマネは厚労省が指導できるし、指導しなければならないと思い込んでいる。そのためケアマネジメント適正化の名のもとに、様々な制限が今後も加わる可能性が高いのである。

こうした適正化論とは、給付抑制そのものではないかという議論がある。給付抑制は個別の点検で労力をかけるより、介護支援専門員の心理に間接的にはたらきかける政策がはるかに効率的で効果的な策であることも事実だ。

しかし介護保険における給付の水準の考え方は「平等=当配分」ではなく、「公平=得られる結果が同程度になる」であるのだから、介護支援専門員はこのあたりをモニタリングの視点に入れることで、給付抑制に偏ったケアプラン評価に反論できることを忘れてはならないのである。

なお様式変更について、「施設サービス計画書」は変更しなくてよいのかという質問をよく受けるが、昨年の通知にも【VI 「施設サービス計画書」の記載項目について(「居宅サービス計画書」との相違点】という部分が巻末に書かれている。この相違部分ではないところは同じという意味なのだから、施設サービス計画書も様式変更されていることを理解してほしいと思う。
登録から仕事の紹介、入職後のアフターフォローまで無料でサポート・厚労省許可の安心転職支援はこちらから。






※別ブログ「masaの血と骨と肉」と「masaの徒然草」もあります。お暇なときに覗きに来て下さい。

北海道介護福祉道場あかい花から介護・福祉情報掲示板(表板)に入ってください。

・「介護の誇り」は、こちらから送料無料で購入できます。

masaの看取り介護指南本看取りを支える介護実践〜命と向き合う現場から」(2019年1/20刊行)はこちらから送料無料で購入できます。
きみの介護に根拠はあるか
新刊「きみの介護に根拠はあるか〜本物の科学的介護とは(2021年10月10日発売)Amazonから取り寄せる方は、こちらをクリックしてください。