新型コロナウイルスの感染拡大の影響により、昨年度(2020年度)の自治体の実地指導などの件数が減ったことで、指定の取り消し・効力停止の処分を受けた介護事業者数が、前年度から44件減少し、109件となっているそうである。

ところで行政指導に関連して、全国介護保険・高齢者保健福祉担当課長会議資料の、総務課介護保険指導室の2ページに、指導指針の改正点について次のように記されている。
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介護保険施設等指導指針の主な見直しの内容
○実地指導について指導形態を次の ↓及びとする。
_雜逎機璽咼垢亮損楙況指導(個別サービスの質(施設・設備や利用者等に対するサービスの提供状況を含む)に関する指導)
∈把禊霆狹運営体制指導(運営基準等に規定する運営体制に関する指導)
J鷭契禅畛愼魁焚短仕の介護報酬請求の適正実施に関する指導)
上記のうち、施設・設備や利用者等の状況以外の実地でなくても確認できる内容(上記◆↓)については、介護保険施設等の負担増にならないよう十分配慮し、情報セキュリティの確保を前提として、オンライン会議システム等を活用することが可能である旨を明記する。
なお、このことにより、実地指導の名称を「運営指導」に改める。

○運営指導の実施頻度については、原則、指定等の有効期間(6年)内に少なくとも1回以上とする。なお、施設サービス・居住系サービスについては、現行での実施状況等を踏まえ3年に1回以上の頻度で実施することが望ましいこととする。

○運営指導の標準化・効率化を推進する観点から、以下について明記する。
・標準的な確認すべき項目・文書による実施
・標準化・効率化により所要時間の短縮
・同一所在地や関連する法律に基づく指導・監査の同時実施
・確認する書類等の対象期間の限定
・電磁的記録により管理されている書類等のディスプレイ上での内容確認
・事務受託法人の活用
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現行の実地指導の一部(新指導形態△鉢)をオンライン対応に変えることができるとしており、名称も「運営指導」に変えられることになることは覚えておいた方が良いだろう。

介護関係者の一部では、実地指導という言葉さえ理解できずに、いまだに「監査」なんて言っている人がいる。そういう人たちには改めて意識変化を促したい。

介護保険制度における現行の「監査」とは、介護給付費適正化システムを分析し、特異傾向を示す介護サービス事業者を抽出して行われるものである。
実地指導から運営指導へ
もっとわかりやすく言えば、不適切運営や不正請求等が疑われるグレー事業者の調査に入って、ブラックであることを確認して、「勧告」や「命令」・「一部停止」・「全部停止」・「指定取消」処分することを想定して行われる行政検査が、「監査」なのである。

それは、まともな経営を行い適切に運営されている介護事業者にとって、ほとんど関係のないものだ。監査とは無縁の事業経営・事業運営に努めていただきたいと切に願う。

実地指導から運営指導に名称が変更されたことを機会に、この名称区分の理解も関係者に促したいところである。

今回の指針見直しは、2019年以降の指針見直しの流れが踏襲されているとみてよく、それはより多くの介護事業者の実地指導を行うために、指導の標準化・効率化を図ることが目指されているものである。

例えば、「確認する書類等の対象期間の限定」も2019年度に既に示されたもので、原則として実地指導の前年度から直近の実績に係る書類とされていることの再確認という意味だろう。

また実地指導当日に提出する資料の部数は1部とし、すでに自治体に提出している文書については「再提出を求めず、自治体内での共有を図る」とされているので、こうしたルールをローカルルールと称して変えないように周知しているという意味もある。

どちらにしても、「運営指導」とは、介護事業者が適切な事業運営を行い、利用者に対して一定以上のサービスの質を担保するように、行政職員が助言を行うものである。

日ごろ法令に沿った経営と運営を行っている事業者にとって、それは介護事業者が気が付きにくいルール視点を示してくれるものでしかなく、恐れるような性格のものではない。運営指導の場は、行政の専門家と、介護事業の専門家が建設的な意見交換ができる場として、歓迎すべき機会であることと考えるべきである。

そのような運営指導に対して、「運営指導対策」の研修を受けたり、コンサルを受けたりすることの意味が分からない。そんな対策をとるよりも、法令を読み込んで根拠に基づく事業運営をすればよいだけの話である。

行政指導に対策する費用ほど、ばかげた支出はないのである。このあたりも介護事業経営者や管理職の方々に、しっかりと理解を促したいところである。

なお課長会議資料の説明は、オンラインで行われる予定になっているが、「ただ今準備中です。準備でき次第、厚生労働省動画チャンネル(YouTube)に掲載します。」とアナウンスされているので、一部の解釈は解説を待つ必要がある。

例えば、新指導形態△鉢がオンラインで調査された場合、,砲弔い討脇映度内に必ず事業者に出向いて行われることになるのだろうか。このあたりは確認しておきたいところである。
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